オックスフォード通信(番外編: 368)フランクフルト空港の難

自動小銃を構えた警察官に囲まれました

今回のフライトは、ロンドン→フランクフルト→関西空港、というルートです。少し心配だったのが荷物です。以前にも書かせて頂きましたが、行きと異なり帰りはロンドン→羽田直行便が予約できなかったため、ルフトハンザとANAの共同運行での帰国となります。

1年間外国に滞在するとさすがに荷物が多いです。船便4箱、航空便1箱をロンドンのヤマト運輸で先に送付しました(考えたつもりだったのですが、重量オーバーのため、結果的に船便5箱、航空便2箱になりました)。スーツケースは2つに、入らなかったものを段ボール1箱にいれ、その他機内持ち込み荷物2,デーパック2という態勢で帰ってきています。

ラッキーだったのはチェックイン(預け入れ)の荷物です。ルフトハンザでは預け入れは一人1つまで、重量は23kgとなっています。いろいろと工夫をしましたがどう考えてもスーツケースが重い。案の定、カウンターでは26kgの表示が(2つとも)。おまけに+1。係員の女性は荷物を組み替えたらとすすめますが(高いよう – – -と脅かされました)、組み替えようがありません。高くても払うからということで手続きをすすめ、支払いの段階で電話で確認したところ、スペシャル・チケットなので追加料金は不要とのこと。ラッキー。日頃のおこないがよかったのかと思いました。係員はあなたは何者?みたいなセレブを見るような目つきに。卒業生でANAで働いているAさん達が手を回してくれたのかとも思ったのですが、ANAとの共同運行(ルフトハンザにとっては)で、私のチケットはもともとANA発行ですので、ANAのルール(一人2つまで)が適応された模様です(でも重量オーバーが無料になったのはよく分かりません)。

すごく気をよくして、TAX Refundを忘れずに済ませ( £18税金が返ってきました)、セキュリティーチェックへ。このヒースロー空港のセキュリティーチェックでは、キャリーバッグの荷物が不信ということで、その場で全部をチェックされました(5分程度)。これは私自身はじめてのことだったのでムカッとしながら我慢していました。

さて問題は、問題のないはずの乗り継ぎのフランクフルト空港のセキュリティーチェックです。もともと乗り継ぎで国外に出ていないのでチェックがあることすら知りませんでした。機械に荷物を載せる前に「Any electricity?」と言われましたので、ラップトップをいつものようにトレーに載せて本人も機械のセンサーのところへ。この時点で他の空港と異なるセンサーに違和感を覚えました。映画「Total Recall」のような大きく、最新版という感じのセンサーです。何か、このセキュリティーチェックの「やる気」を感じてしまいました。

そして、トレーに載せたデーパックとキャリーバッグがいつまで経っても出てこない。次第に、モニターの所に係員だけでなく自動小銃を持った2名の警察官もあつまりモニターを見つめています。私の前の男性の荷物がひっかったのだと思っていました。遠目に、何か、電線を巻いたコイルのようなものが映っていましたので、私とは関係ないと思っていました。するとさらに警察官が集まり、一時全てのブースのベルトコンベアがとまりその場に緊張感が走りました。

この時点でも私は全く関係ないと思っていたのですが、当事者と思われていた(私に)2名の男性は、君達の荷物は他のベルトコンベアに載せたからということで別の所に。残ったのは、6-7名の警察官に囲まれた私だけ。えええ、私の荷物?

Any electricity?といわれて懐中電灯が入っているけれどと事前に言ったときにはいいよ、という返事でしたので何も電気関係は入っていないはずだったのですが、1年間の滞在で使った携帯型プリンタ、Apple TV、SSDハードティスク、それに大量のケーブル。ヒースロー空港では問題にならなかったのでいいと思っていたのですが、これらはElectricityに該当するということで問題になったようです。最後には警察の責任者風の男性が来て、なぜこんなに沢山のケーブルがあるのだ、など恐い顔で詰問されます。それまでにも名前、生年月日、パスポート情報(カバンの中)などいろいろと質問。多分、遠目にみたら本人以上に大変な状況だったのでしょうね。最終的には10名を越える警察官が厳しい顔をして私を取り囲んでいました。

特に問題になったのが、パナソニック製の携帯型ウオッシュレット。これは以前にも書いた(はず)ように他のすぐれものにその役割を奪われこの3ヶ月くらいはほとんど使っていなかったのですが、持って帰ろうとキャリーバッグに入れていました。訳の分からない棒状のものは疑惑を深めたようです。仕方が無いので、中の棒を伸ばし用途を説明する羽目に。半分くらいの警察官は理解したようですが残りは???という感じです。もともとトイレにウオッシュレットがない国でそのポータブル版など説明を聞いても分かるはずはありません。

今、ほっとしてビールを飲んでいますが、一時は帰国便に間に合わないのでは・・・と危惧しました。総計40分程度。最初は冗談?と思ったのですが、全編真剣なやり取りになってしまいました。

でも疑惑が晴れてよかったです。

★今回の教訓:フランクフルト空港でelectricity?と言われたらひげ剃りも(これも問題になっていましたが、すぐに疑惑は晴れた)カメラもハードディスクも何もかも別トレーに出すこと。これから行かれる方はご注意を。

考えてみると、パリ駅のイギリス税関に続く尋問。これもまたいい経験と言えるか。

(2019.3.28)

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オックスフォード通信(342/23)MOT

車の車検に落第しました

帰国に併せて車をこちらで売却する予定にしていました。ただイギリスでは最初の3年でしたか、それを過ぎると毎年車検(MOT: Ministry of Trasprotation)があり、現在乗っているNissan Almeraも来たる4月3日が車検の期限ですので、少しは早い目に終えておこうと、3月4日を予約しておきました。

本当は前の所有者のK先生から教えて頂いたTさんにしてもらうはずだったのですが、連絡をしてもなしのつぶて。しかたなしにKidlintonにあるNissan販売所に連絡をしてMOTを受けることに。朝の11時にピックアップに来てくれて予定では同じ日の午後4時に返却の予定でした。ところが、その4時くらいに怪しい電話がかかってきました。

どうも車検を通すには修理がかなり必要らしく、NISSANまで来て欲しいとのこと。朝と同じ女性が若手の社員を伴って登場。駐車場に置いてある日産の車を持って帰るための要員です。キドリントンまでは20分くらい。道すがら大体の様子を聞きました。すると流石に2000年製ですので19年前の車はガタが来ているようで、多くの部品を交換しなければならないとのこと。特に深刻なのがエンジンからのオイル漏れとのこと。そういえば、先日ストーンヘンジまでドライブした際、キーキーという音が前部から聞こえていました。ただやっかいなのはこのMOTが登録されてしまっていると、車検を通さない限り車に乗れないとのこと。予定では3/20まで(私の国際運転免許証の期限が切れる)は乗る予定にしていました。

支店に到着するとRさんが事情を詳しく説明してくれました。修理事項がズラリと。少なくとも £1500、ひょっとすると £2000(=30万円)はかかるとのこと。それだけのお金があれば中古車が一台買えますし、第一転売することが難しいです(正直に告白しますが私はこの車を £600で売ってい頂いています)。しかも修理には2週間かかるとのこと。

本当はこの車のバトンを次のY先生に渡す段取りになっていたのですが、こうなると断念せざるを得ません。無念です。半年でしたが、コツウォルズを中心にいろいろなところに連れて行ってくれました。もう少し走らせてやりたかったです。

ただ帰りが大変。Rさんから書類のサインしろとのこと。よく見ると、こんなことが書いてあります。この車は車検が通らなかった危険な車、自宅などまでこの車に乗って帰るというけれど、私達には責任はありません。ドライバーの責任です。もし途中で警察に呼び止められたら £2500の罰金は本人が払いますと。ええええ。先ほどの説明ではRさんはダッシュボードにおいておけばしばらくは運転出来る証明書をあげると。話が違う。でも仕方ありません。警察に出会わないことを祈りながら20分の道を、同時に最後のドライブですので、Almera に感謝しながら運転をしました(時刻は午後6時半くらい、何しろ右のヘッドライトが切れていますので、パトカーにすれ違ったら一巻の終わりです)。

幸い、無事フラットの駐車場に到着。よく見ると一度も洗ったことがないAlmeraが外も中もぴかびかに。さすがNISSANです。Rさんともいろいろな話が出来て面白かったです。でも、ここでAlmeraがとお別れとは思っていなかったので満開の桜をバックに寂寥感が増す夕暮れとなりました。

★今回の教訓:車検はどこの国でも甘く見てはいけない。通らないかもしれないと思っていたらもう少しゆるそうな工場に持ち込んだのに。ただ、不十分な点検で次の方にバトンタッチも申し訳ない。何やら、ゲームの黒ひげ危機一発によく似ているような気になりました。

(2019.3.4)

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オックスフォード通信(336/29)Witch’s shot

オックスフォードで二番目に恐れていたことがぎっくり腰です

2年前に朝起きようとして腰全面(両側)がぎっくり腰になっていてどうにこうにも起き上がれず、這うようにして車に乗って(カーブに来ると腰が痛んだのを覚えていてます)大学に行ったのを覚えています。その後亀岡市内のK整形外科に行ったところ、レントゲン台に上がれと冷たく言い放たれ、レントゲン台に上がれるようならここに来ないとおもったの(うらみ)をハッキリ覚えて老います。

なのでオックスフォードでは絶対にそうならないように朝起きるときにも腰のウオームアップをしてから起き上がっていたのですスが、少し油断していたのでしょうか、昨日の朝、シャワーを浴びようと少しかがんだところ、左側の腰に激痛が走りました。

マズイ!

後の祭りです。もともと、ドイツ語で Hexenschuss といわれたのをそのまま英訳したのがwitch’s shot(魔女の一撃)です。一般的にはlumbago、lower back pain と言われているようです。昨日は何とか車の運転もできて、昼の間は元気だったのですが、夜フラットに帰ってくる頃に再び激痛が。日本のF先生に念のためにといって頂いた、シップと痛み止めの頓服剤を飲んで就寝。また、ぎっくり腰をしたことのあるひとはご存じですが、ベッドに上がるのが一苦労。腰に負担がかかると激痛が走ります。でも幸いにも熟睡できた朝になると元気になっているかと思ったのですが、そんなことはなくて、むしろ症状が悪化しています。というよりも、寝ている時の状態から違う状態に移る時が一番しんどいのですね。10分くらいかけて(本当です)はうようにしてベッドから降りて、たどたどしい足取りで洗面台へ。

本日は所用でロンドンへ行くはずだったのですが、諦めてキャンセルすることに。早く直せるようにしたいと思います。

本当に魔女の一撃でした。

★今回の教訓:病気やケガが海外生活の一番の不安。なったものはしかたないけれど。何とかしたい。

(2019.2.26)

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オックスフォード通信(323/42)自転車のチェーン

急いでいるときに限って、ということがあります。

共同研究をしているH先生とのミーティングの時間に遅れると思って、さあ自転車で7分で到着と意気込んで自転車置き場に急いで行ったところ、何かバイクの雰囲気がおかしいのです。この自転車置き場は鍵も掛かっていて外部から入ってくることは不可能なのでいたずらということはまずないのですが、おいてあった自転車のチェーンが大きくはずれていました。

少しくらいなら直せるのですが、大幅にはずれているので3分くらいで見切りを付けて、近くの(有り難い!)サマータウンサイクルに持ち込みました。油で真っ黒になった手を洗わせて欲しいと、奥のトイレで手を洗って戻ってくると元の状態に。流石プロですね。 £2お支払いしてミーティングの時間に間に合いました(といってもこのような時に限ってH先生の前の予定が伸びて結局時間が余ることに)。巡り合わせとは不思議なものです。

★今回の教訓:H先生は教育学部でも超人気の先生。でも忙しくてもいつも気さくに笑顔で誰にでも対応される誠実な姿勢には頭が下がる。私もまだまだだと思う。見習いたいものだ。

(2019.2.13)

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オックスフォード通信(297/68)スマホをイギリスの地下鉄でなくしたら?

スマホをイギリスの地下鉄でなくしたら?

諦める、諦めざるを得ない、Lost and Foundへ行く。

このあたりが多くの人が取る手段だと思いますが、そうでない人達もいます。

私の知り合いの日本人の例。旅行者です。夜の11時半くらいに携帯に電話が標題の内容でかかってきました。相方がロンドンで無くしたとのことです。日本でもそうですが、もうその時間では何をしても無駄だと思います。今晩は諦めて明日の朝一番に下車した地下鉄の駅に行って、相談するように、そしてその英語も伝えて電話を切りました。ロンドンとはいえ夜は物騒なので、しかも女性が出歩くのは危ないからとくれぐれも出歩かないように念を押しておきました。

すると30分後にまた電話が。

今後は相手が何を言っているか分からないので代わって欲しいとのこと。代わると、何と、地下鉄の駅員さんでした。「スマホなくしたといっているけどあるわけないやろ」「忘れ物が届く駅が2つ先にあるので、明日の朝、行ってみてくれ」とのことです。当然至極の対応です。

でもその二人を見捨てる分けにも行かず、そのロストアンドファウンドのある駅を教えてもらって電話を切りました。ここまでのところで、あれほど念を押したのに夜にノコノコとスマホを外で探している様子に激怒しそうになりましたが、よく考えるとそのスマホには大事な情報だけでなく、この旅行で取った沢山の写真が入っていることを想像しました。

夜はもう12時を回っています。そこで妻の登場。その無くしたスマホに電話してみたら?でも出るわけがない、と思いつつ電話してみました。すると、Hello..との返答。出た!Who is this? と聞いてみるとそのロストアンドファウンドのある駅の駅員さんでした。

この時ほどビックリしたことはありません。

スマホの型、色もピッタリで、本人のものと判明。翌朝一番に取りに伺うと感謝して電話を切りました。

深夜まで対応するロンドンの地下鉄の駅員さんにも感動しましたが、恐らく電車の座席の上に忘れられていたのでしょう。それを駅員さんに渡してくれたロンドン子の親切さにも感動。

外国で旅先でこのような親切にであうと一生忘れませんね。

★今回の教訓:素朴な疑問、なぜはじめから自分のスマホに電話しなかったの?

(2019.1.18)

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オックスフォード通信(287/78)Speeding Ticket

日本では21世紀になってから一度も交通違反がなかったのですが、ここオックスフォードでスピード違反のチケットを切られてしましました

といっても警察官に摘発されたのではなくいわゆるオービックという自動速度取り締まりの機械によってです。いつもどちらかというとスピードはもっと出さないと行けないとスピードを上げるように必死になっている方ですので(みなさん、時速120kmくらいでは走るので100kmくらいでは後に列ができるかどんどん追い抜かれるか、何かプレッシャーをかけられるかです)まさがスピードオーバー違反のチケットを切られるとは夢にも思っていませんでした。

それは自宅フラットの近くの路上でした。イギリスはメリハリがすごくて、AとはMという記号のついた高速、自動車専用道路にはまず自動速度取り締まりの機械は置いてないのですが、市内になると急に制限速度が30マイル(約48km)に制限されます。それまでビュンビュンと飛ばしていた車も急に速度を落とします。

そのような車列についている時は大丈夫なのですが、自分が先頭に立ったり、「つい」気が緩んだりすると、自宅が近くなったということもあり、スピードが出がちになります。

私が受け取った郵便には、30マイルのところを6マイル(=約10km)オーバーしていたとのこと。つまり、制限速度48kmのところを58kmで走っていたとのことです。

この話で昔、京田辺の警察署の前でスピード違反のチケットを切られたことを思い出しました。日本ではほぼどの警察署の前も制限速度が40kmになっています。ちょっと考え事をしたりしているとつい60kmくらいでてしまいます。これとよく似ているなあと思いました。

最終的には £100(=15000円)くらいの罰金を払うことになると思います。これについては後日談がありますので、また続きを書きたいと思います。

(2019.1.8)

★今回の教訓:日本でもイギリスでもスピード違反のチケットほど腹立たしいものはない。

オックスフォード通信(254)インターネット通信

正式には12月4日(火)の早朝、午前2時くらいになりますが(12月3日の深夜か)、突然契約しているスカイのインターネットがつながらなくなりました。システムの問題かもと思ったのですが、スカイのHPにアクセスをすると、私のフラットは問題なし、あなたの接続の問題と言われたため、表示のまま、電源のオンオフ(これは基本)や線の抜き差し(これくらいしかすることがない)を何度も繰り返すも、改善せず。もしやとおもって、スカイ自体の通信障害を調べると、イギリスの地図がほぼ全域がオレンジのマーク(通信のトラブル)。

そんなことがあって、翌日の12/5には契約大手のO2の通信トラブル。日本でもソフトバンクに同様の問題があったとのこと。ただ、面白いのはメディアの対応。もちろん、Brexitでそれどころではないイギリスのお家事情もありますが、スカイについては報道すらなし、O2については一応Breaking Newsで速報されていましたが、それっきりで責任追及もなし。この違いは何なんでしょう。

簡単ですね。日本は問題が少ないと言うことです。たいした問題でもないことを大げさにメディアが取り上げているだけなのではないでしょうか。このようなメディアにお付き合いしているあいだに、私達の目も近視眼的になって遠くが見えなくなってきているように思います。

遠望視も時に必要ですね。

PS. 現在、共同研究、卒論とも佳境のため、若ゼミ日記は「メモ書き」状態です。後日落ち着いて補足したいと思います。

★今回の教訓:どのような状況でも冷静さと楽観性を保つことはあらためて重要だ、と思う。

(2018.12.6)

オックスフォード通信(211)Smetana

ロンドン・シンフォニー・オーケストラ (LSO)の演奏会に行ってきました

9月にプラハを訪れた際、スメタナ博物館に行く機会があったのですが、そこでスメタナのピアノや楽譜を見ることができました。スメタナというと「Ma Vlast(わが祖国)」が有名ですが、恐らく日本で教育を受けた現在の50才以下の多くのみなさんが、モルダウを音楽の時間に聞いたり、クラスや学年合唱で唱った経験があるのではないでしょうか。

私は中学の教師をしている際、3年生の合唱課題曲がこのモルダウだった経緯から毎年中学生の素晴らしいハーモニーを聞くことが出来ました(不思議に9年間の学級担任としてクラスで歌った合唱曲は全て覚えています)。特に学年合唱でのモルダウは人数が200名近くになったため(現在の少子化とは真逆の世界でした)素晴らしい迫力で胸に迫ってきたのを覚えています。

チェコでは残念ながらスメタナのコンサートに(ドボルザークも)行けなかったので残念におもっていたのですが、ロンドンのバービカンホール(Barbican Hall; Barbicanとはもともと見張り台のこと)でLSOがスメタナの「わが祖国」全曲を休憩なしで6楽章演奏するというので、出かけてきました。

当日はあいにくの雨模様で、しかも最寄りのSt. Paul 寺院の地下鉄の駅だけが封鎖でCloseになっていたため、1つ遠い駅から歩かなければならないなど、相変わらずロンドンの地下鉄には苦労することが多いですが(後から分かったことですが、9月から10月の週末、土日は計画的に駅を封鎖しているそうです。またこの日はオックスフォードからバスで出かけたのですが、ロンドンハーフマラソンの影響で市内の多くの道路が通行止めで通常とは異なるルートを通るなど大都市ならではの経験もさせて頂きました。コンサートからの帰りは動いているという地下鉄リバプール駅まで歩くのも億劫だったので奮発しVictoria駅までてタクシーに乗らせていただきました[タクシー・アプリ(ドイツで使ったものと同じもの)を使うと2-3分でその位置まで来てくれます。これは便利です。日本でも使えるといいのですが])。

さて、 Barbican Hallですが、思ったよりも狭いというよりもどの席もステージに近い様子で、聴衆全体がステージに集中できるデザインになっています。

少し面白いとおもったのは、チケットの係員の対応です。大きな荷物はクロークに預けるようになっているのですが、知らずに入ろうとした私に、「うーん、ちょっと大きな感じがするね。預けてもらう方がいいな」といった感じのソフトな言い方で私に対応してくれました。その一言でこのバービカンホールにもロンドン・シンフォニーにも親近感が湧くのが不思議です。

わが祖国はレコード(CDではなく)で全曲聴いたことがあるのですが、休み休み、日をあけて聞いていたので、全楽章を一気に聞くのは初めてのことでした。もちろん、第二楽章のモルダウは素敵で歌い出しそうになるくらいだったのですが、他の楽章も力強く、ドラムとシンバルが迫力のある曲想を演出していてあっという間の90分でした。

やはりチェコに行っておいて良かったなあと思いました。曲を聴きながら何となくですが、チェコの風景が目に浮かぶようでした。第一楽章のハープから始まる美しいメロディーも印象的です。

民族というよりも、誰にとっても故郷は大切だなと実感します。ドボルザークよりもスメタナの方がよりヨーロッパらしい感じもするのですが、チェコの自然と風土を大切に思う気持ちは同じだと感じました。

生で聞く音楽はCDやレコードと違い、五感で音楽を感じるように思います。コントラバス奏者の弓が途中で切れてしまって、奏者がそおっとステージを降りていったハプニングも含めて(すぐに戻って来られました)心に残るコンサートでした。

ビートルズ、モーツアルト、ドボルザークに加えてスメタナもまたこれから長く聴き続けることになるだろうな、と思っています。

2月には同じホールであのウイーンフィルのコンサートがあるので行こうと思っています(マーラーの9番です)。

PS. LSOの常任指揮者にはサイモンラトルが就任。ただ本格的な演奏活動は来年からとのこと。

(2018.10.23)

★今回の教訓:ロンドンとオックスフォードはいい距離にあると思う。ストラットフォードアポンエイボンに行った際、かのシェークスピアは二晩、馬に乗ってロンドンに行ったと博物館で説明があったけれど、オックスフォードならその時代でも一晩で行けた距離だと思う。
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オックスフォード通信(207)海外生活のトラブル

アパートの家賃について少しもめています

海外で住むのは日本とは異なることはよく承知しているのですが、ルールが違うことはなかなか理解できません。現在住んでいるフラット(アパート)は最初に半年分(!)の家賃 (rent) を支払い残りを月払いするものと思っていました。

事実、10月からスタートする残りの家賃について、督促が来たので不動産業者に支払いに行ってきました。もともとその1週間前にインスペクションとしてフラットの現状を2名の不動産業者が視察に来たときにも家賃の支払い方法について質問していたのですが、その数日後に家賃が未払いになっているので至急支払うように督促メールが来ました。すぐにその支払い方法について尋ねるメールを送ったのですが返答がないので、不動産業者の支店に出向いてデビットカードで支払い、その際11月分からの支払いについても自動引き落としになるように書類を記入提出しました。

すると数日前に契約では残りの半年分を一気に支払うことになっているので至急支払うようにという唐突なメールがまた届きました。確かに契約ではそのようになっていたようなのですが、今となってはその契約自体が不当に思えてきます。

日本でも家賃を半年分ずつ支払うなどあまり聞いたことありません。これは外国人だからこのような対応をしているのかと思いたくなります。そう思うと気分が悪くなってくるのは困ったことです。

Sさんとメールで交渉しながらも半年分支払いができるように(まあ、いずれ支払うものですので)準備を進めていますが、先日のインターネットの唐突なサービス停止など、思いやりに欠ける対等に戸惑うばかりです。ルールや契約の重要性は認識しながらも、日本ではそのような対応をしていないはずです。イギリス社会の冷徹な部分を見たような気になります。

(2018.10.20)

★今回の教訓:相手の立場を思いやる姿をオックスフォードの至る所で見かけるだけにこのような対応は理解に苦しむ。
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オックスフォード通信(170)大学図書館のトイレ

トイレのことばかり書きたくないのですが、海外生活では重要な場所ですのであえてふたたび

昨日のこと、パソコンのこともあるのであまり席を立ちたくないので(通信128参照)我慢しているわけではないのですが、帰る頃に行くことがあります

オックスフォード大学の図書館は閉館時間が同女の図書館よりも早いのはビックリなのですが(通信120参照)、昨日はギリギリまで粘っていました。と言っても18:45頃。同女なら優しい声で「閉館時間15分前です」とかアナウンスがあるところですが、こちらは10分前に問答無用の「帰れ」と言わんばかりの鈴がなるところですが、その5分前にトイレに行ってから帰ろうと思いました。

ラドクリフカメラのトイレは地下にあるのですが、そこへのドアが開きません。また、故障かなと思ってかなり力一杯そのドアを引こうとしたのですがびくともしません。すると、ドアに張り紙が。閉館30分前からはトイレの横に併設してあるウオータークーラーの関係で使えません、と。

全く関係ない。唖然としました。

私は正直、トイレに行っておこう、くらいのつもりだったのですが、緊急の人もいると思います。トイレを封鎖しますか、と聞きたくなりました。もちろん、そこがこの図書館で唯一のToiletです。

要するに、スーパーマーケットやカフェの閉店準備と同じで、7時ジャストに係員も帰宅したいだけなんだろうと思います(以前、閉店間際のスーパーで[Tesco]、ヨーグルトが欲しいと行ったら、閉めかけていた店員が Just two minutes と怖い顔で言い放ったことがありました。スコットランドでしたが)。

ただですらトイレが少ない(通信107参照)イギリスです(先週末のドッグショーの帰りパブでビールを飲んでいたら、トイレだけ使いに来た女性がいました。すぐに分かるものですね)。

せめてトイレくらいは閉館時間まで使わせて欲しいものです。

PS. 外に出ると爽やかな秋空が広がっていました。オックスフォードはすっかり秋です(10月下旬の雰囲気です)。

(2018.9.13)

★今回の教訓:トイレの時間まで気にしていたらできる仕事もできない。
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オックスフォード通信(167)携帯事情

Wifiが大学と自宅フラットで利用できる環境にありながら、依然として携帯は重要です

私は理由があり2台の携帯を持っています(iPhone 5/X)。イギリスに到着してすぐ契約したのが giffgaff というプロバイダー(通信12, 1参照)。これは低料金(私の場合月に £10=1500円ほどです)でカバーする範囲も広く、前月の使用状況をみてアップグレード・ダウングレードをアドバイスしてくれるなどユーザーフレンドリーなところが気に入っています。

もう一つは、オックスフォードでつながりやすいという噂をもとに、イギリスNo.1と言われるEE(イーイー)を敢えて避けて、日本でも聞いたことのある Vodaphone と契約しています。当初はほとんどWifiを使わないだろうと思い、Data量が2GBの £13のプランにしたのですが、毎月足りないどころか倍以上のデータ追加をして、7月などは £43も支払う羽目に(といっても
6000円くらいですので日本の2/3というところです)。

でも流石にまずいと思い、Cornmarket通りにある Vodaphone の支店に行ってきました。待つこと10分くらい。担当の係員が相談に乗ってくれたのですが、結果的には £20で20GBのプランがあるとのこと。はじめからこちらにしておけばよかったと思った次第です。

Vodaphone だけではないのですが、オックスフォード市内での接続状況がよくなく、図書館の中、喫茶店の奥、オックスフォード中心部(イギリスではCity Centreと表現)と自宅フラットの間などでは頻繁につながらないという状況があります。これはVodaphone が悪いのかしらとおもい、いっそここでEEに乗り換えようかと思いました、1年契約になっていますので、ここで解約すると、解約金は?と係員の女性に来てみると、恐ろしい答が。

£13(月額)× 6ヶ月(契約の残りの月数)= £78 とのお答えが

再度、日本と比較すると、この料金を払っても快適なインターネットを享受できるのならと一瞬思ったのですが、ばかばかしいので、プラン変更をすることにしました(契約月数は4月から継続)。

でもそのプラン変更がその支店ではできず自分で電話でしろとのたまうのです。なぜ?仕事分担があり、支店ですると侵害になるとのこと。ばかばかしい。

まあそうは言っても仕方ないので自分で Vodaphone に連絡して10分ほどで変更完了。こちらはとても親切でした。

しかし、格安のプランを作っておいて追加料金で法外な金額を請求するプランをつくっているあたり、giffgaff とは大違いだと思っています。

これからイギリスで携帯の契約をするばあいにはまずは giffgaff ですね。支店はありませんが、その分格安でWeb、メールで丁寧にサポートしてくれます。何しろ、滞在先のホテルやBBにSIMカードを送ってくれるのですから。
(2018.9.10)

★今回の教訓:使いやすい携帯を持っておくことは海外生活では重要。プランも慎重に選ぶ必要がある。
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オックスフォード通信(164)インターネットダウン

フラットのインターネットが突然ダウンしました

しかもWebを見ている最中だったので突然という感じがしました。このようなときに真っ先に疑うのは次のどちらかの可能性です

① フラット内の機器、接続に問題がある
② インターネットプロバイダー(私の場合、Sky)の問題

ルーターなど何もいじっていないので(Sky提供のルーターとApple Air Macを現在利用しています)、①の可能性は低いと考えます。しかし、何かの拍子に設定がおかしくなっているかも知れないと思い、文系的発想でまず電源を抜く→挿すの繰り返し、次にコードについても同様の作業。しかし、反応なしです。

次は、②の可能性が高いので、しばらく回復するのを待つ。しかし10分くらい待っても回復しないので、携帯でSkyの接続状況を調べても特にトラブルが起きている可能性はないようです。走行しているうちに、パソコンの画面にスカイのソフトが自動的に立ち上がって、ネットワークの接続を確認する方法が指示されました。といっても、①で私がとった行動と全く同じ事なのですが、念のためにもう一度試して見てもダメ。

これは直接スカイに連絡して聞いてみるしかないと考えます。携帯でスカイのサイトに行くと例によってIDとPASSWORDを入れよと指示が出てきます。

大抵そのようなものは覚えていないので(本当に沢山ありすぎます)、秘密のメモを探して、無事にスカイのサイトにログイン。

すると驚愕の事実が。

私のネットワーク(だけ)が、SUSPENDED と表示されています。英語はこのようにして覚えると、Suspendedが保留とか一時停止(学校なら停学)という意味なのがすぐに覚えられるんだろうな、と変に冷静に、なぜネットワークが停止されているか考えました。

料金が払われていない!

すると以前の嫌な思い出が蘇って来ました。そうです、Apple IDの詐欺まがいで(通信137参照)クレジットカードを再発行してもらったことを思い出しました。最初はHSBC銀行から落ちていないのかと思ったのですが(クレジットカードも親切なんでしょう、車のマニュアル・ギアミッションと同様に自動ではなく自分が支払いたい時に支払うことになっています)、クレジットカード番号が変更になったので8月分料金が自動的に未払いになっていたのでした。

でも、ここでカルチャーショック。

日本なら確実に、支払いを促すようなメールまたは電話をするはずです。イギリス・スカイの場合は突然、しかも中途半端な時間に接続を断つという方法を取るのです。

いい勉強をしたと思います。

海外で生きていく上でインターネットはなくてはならないものですが、それ以上に母国のカルチャーに縛られた考えではなくて、柔軟にいろいろな可能性を探ることが海外生活には必要であると思います。

今回は奇跡的にそのような解決策にたどり着いたのですが、トラブルに対応する方策を持っていないといけないと改めて思いました。結果的には30以内に復旧したのですが、リスクやクライシスに対応するスキルの重要性を再認識しました。

しかし突然切るか。

(2018.9.7)

★今回の教訓:その後、ガス、電気の自動支払いを確認。こちらはイギリス発行のクレジットカードでないと受け付けてくれていなかったので変更なし。
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オックスフォード通信(163)台風や地震について

関西地方を中心とする台風の甚大な被害についてBBCでも定時のニュースで報じています

そしてまた北海道を襲った激震。外国で日本の災害について目にするのは辛いです。被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。

Facebookでも友人の投稿から御所の木が倒壊して今出川通を塞いだり、同志社女子大学の構内でも大木にひびが入っていて折れている写真を目にしています。また、関空の高潮による浸水や連絡橋の破損には驚いています。

そう考えるとイギリスを始めヨーロッパ諸国とは比べものにならない天災・災害が日本には毎年のように襲いかかっているように思います。ヨーロッパでも今年は酷暑と言われ、干ばつになっているところも多数ありますが、比べ物にならないと思います。ヨーロッパにはまず台風は来ませんし、地震も少ないです。特に、イギリスでは皆無ではないでしょうか。地震のない証拠にオックスフォードでも600年来の石造りの建物が多数残っていますし、この立て方は日本では危ないだろうと思うものがいくつもあります。

NHKもこのような非常事態にはYoutubeを通して「生放送」をしていることを知りました。はじめはビデオと思っていたのですが時刻をよく見ると現在の時刻になっています。まず正確な情報を(国内外に)伝えることはこのような非常時にはとても重要だと思います。

関空を作る際に海上空港は大丈夫なのかという議論があったと思うのですが、原発の場合と同様に想定外のことは想定しないで空港を作っていることに驚きます。排水機構が地下にあって機能しないという報道を聞きましたが、誰が考えても地下に作っては浸水したら終わりということは分かると思います。丁度、原発が想定外の津波を予測しなかったように。

鉄道運行をみても日本人や日本のシステムは世界に冠たる超緻密な精度を誇っています。これは素晴らしいとことだと思うのですが、何かを議論する際に「専門家」が大丈夫だと太鼓判を押したことには(太鼓判を押す専門家を呼んで来ているだけだろうと思いますが)メディアも疑わない姿勢は世界的に見ても稀であると思います。ある一つが動かないと全部がダメになるようなことが続いていると思います。お上が言ったことは大丈夫という信仰が今も日本には生きているのかもしれませんが、公文書改竄のようなことが実際に起きているのがお上の現状です。

または違う考え方をすると、無理しすぎているのかもしれません。そこまでしなくてもということをやり過ぎているのかも知れません。空港もそれほど便利でなくてもいいかも知れないし、原発で電気を作らないと困るようなハイテクの社会は不要なのかもしれません。おもてなしの文化も一方でどこかで無理を強いる社会になっているのかもと思います。

2019年のラグビーW杯、翌年の東京オリンピック。紙一重の計算に基づく計画はそろそろやめるときかもしれません。

関西の台風からの、そして北海道の地震からの復旧、復興を祈念してやみません。

(2018.9.6)

★今回の教訓:エアコンも効かず真っ暗になった空港で多くの人がパニックにならず冷静に行動する姿勢。できそうでなかなか出来ない事だと思う。日本国民の成熟した文化を見る。国民のレベルは高い。
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オックスフォード通信(151)Ten past eight. Nineteen to nine?

毎朝、朝食は BBC のBreakfast(通信136参照)を見ながらというのがライフスタイルになってきました

イギリスを中心にコンパクトにニュースがまとめられていてスッキリした印象の番組なのですが、1つだけ、時間の言い方にはなかなか慣れません。

Ten past eight = 8:10

Nineteen to nine = 9時19分前 = 8:41

いつまで経ってもなかなかピンと来ません(臨界期かもしれません。先日の学会で臨界期はあるのかという議論で、オックスフォード大学の名誉教授の先生が、”No, but if there is, it is over 60”と発言していました。60歳が臨界期かあ)。

もちろん、普通に Eight forty-one と言われる時もあるのですが、頻度としては圧倒的に上記のようなパターンが多いように思います。

考えて見ると何時のことなのか分かるのですが時間がかかります。英語のリスニングにはいろいろな場面と種類があると思いますが、こと数字が絡むとなかなか厄介だと思います。電話番号も聞いてもすんなりと頭に入って来にくいですし、それにmileとyardなどの単位が異なってくるとなお更です。特に、時刻は日常的なことなので、いわば異なったフォーマットになると慣れにくいことが面白いです。

British English はそれはそれで面白いのですが、少し異なる話なのかもしれません。

(2018.8.25)

★今回の教訓:英語など外国語/第二言語の習得には「慣れる」ことを避けて通れない。一方で慣れやすいものと慣れにくいもの(母語や他の表現方法の影響が強すぎる)があるのも事実です。
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オックスフォード通信(156)Great Western Railway

来客を迎えにオックスフォード駅

朝、8時ですからそれほど早朝ということでもないですが、それほど遅くもない時間。8:17着のロンドンからの列車(電車ではなく全てディーゼルカーです)で到着される予定。8:10までは何事もなく普通に電車が到着して発車していく風景でしたが、突然電光掲示板が「Special Notice」に変更。

事故があったため全ての電車を停止させるとのこと。

すると駅構内は続々と人が増え始め人々が電話で連絡を取り合ったり駅員に事情を聞くなど混乱しそうな雰囲気。日本ならここで殺気立った人が怒鳴ったりざわめきが起きるところなのですが、静かです。

それぞれ解決策を知っているのか、構内で待っている人の数は増えるどころか徐々に減って行きます。日本なら入場制限などをするところです。もちろんオックスフォードがそれほど大きな街ではないということもあるかもしれません。ロンドンでなら・・・でもロンドンでもそうはならないような。

理由は恐らくみんなあきらめているからだと思います。列車の遅延やキャンセルなどにイギリスの人は慣れっこになっていて、それに対する対処法をよく知っているようです。バスなどの他の交通機関に変更する、諦めて違う日に行くことにするなど、消極的なあきらめ方をよく知っているように思います。

来客とはLINEで連絡が取れたので(短期で外国旅行をする際にはレンタル・モバイルは便利ですね。最もアメリカはソフトバンクならアメリカ放題があるようです)事情(there was a dead body on the rail)を説明したり、電車が反対方向に動いてもパニックにならないで良かったです。

結果的にはAppleford付近まで来ていたものの Didcot Parkway Station まで列車は戻って、そこからバスの代行運行になりました(このパターンが多い)。ただ、本来ならOxford駅まで代行するべきなのにオックスフォード市内でバスが打ち切りとなったのは解せません。手抜きですね。

(2018.8.30)

★今回の教訓:あきらめていると起こることもないということを学んだ。

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オックスフォード通信(150)学会 2

We are done with that

リスニング能力の測定について質問したのですが冷たい答えとそれに続く笑い声。まあきちんと聞いていなかったと言えばその通りなのですがそんな風に言わなくても、と正直思いました。

これは昨日の話で、オーストリアの研究者の発表の際の一コマです。なかなか難しいものですね。お、これは・・・と思うと考え始めてしまうので、その間発表の声は聞こえてこないものですね。質問するとこんなこともありますし、誰も気にしていないので、私も気にしないのですが、次からは発表を遮っても質問を思いついた時にするべきだと思いました。

悔しいので(正直なところ)その日には聞かないで、翌日ブレイクの間にいいタイミングがあったのでその件についてもう一度話をしてみました。すると本当はなかなかいいところをついていたようで少し嬉しく感じるところもありました。

今回の学会で面白かったのは全てのプログラム(基調講演、ワークショップ、ポスタープレゼンテーション、シンポジウム)が終わった後に3グループに別れて、グループディスカッションがあったところです。全体についての感想を言い合ったり、疑問点について意見交換したりと。これはいいシステムだと思いました。しかも、そのまとめを全体でするとかそのようなプレッシャーのかかることはしないで、グループの中で自由に話をすることを重視しているようでした(まとめをするとなると誰かが記録をとったりまとめたりしなくてはいけなくなる)。

特にメキシコからの研究者の話が興味深かったです。

これまで見過ごしていた領域だったのですが、現在の研究テーマとも関連性を考えることもできました。

集中的に何かについて話を聞いたり考えたりするのは貴重なことだと改めて感じました。もうすぐ9月です。

(2018.8.24)

★今回の教訓:イギリス風の学会の在り方も面白い。
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オックスフォード通信(144)IKEA

車があると少し近郊に足を伸ばすことができます

本日は Milton Keynes にあるIKEA(日本語ではイケア、英語読みではアイケア)に行ってきました。現在のフラットはもちろん借家で来年の3月一杯までなので大型家具を買うことはできませんが、ソファなど色々と見て回るのは楽しいものです。

神戸にもあるのですっかりお馴染みですが、中においてあるものも日本と良く似ています(神戸のイケアで購入した我が家のダイニングテーブルと全く同じものもおいてありました)。日本と唯一異なるのはワイングラスの種類が多かったり、アイスクリームのスクープなどかもしれません。

日本と異なり土曜日でも駐車場に待たずに入ることができるのも異なるところでしょうか?

面白かったのはレストランです。オックスフォードやロンドンで食べるとどんなに安くても£5は下らない Fish and Chips などが£3台、コーヒーなどに至っては£1台です。もちろん、これは買い物のおまけという意味合いもあるし、郊外にあるお店なのでそれだけ安くできるのでしょうが、スウェーデン人が作ったらこんなに安く美味しくできますよ、と言っているような気もしました。それをイギリス人が列を作って買い求めているのも何か滑稽です。

どこの国でも同じなのは、子供です。子供はゼリーやケーキなどの甘いものが好きで、セルフ形式で取って行く中でついつい手が出るのですが、お母さんに怒られて戻しています。お母さんは厳しいですね。

このレストランでは買い物の途中でも立ち寄れるし、買い物が終わった後でも寄れるのですが、後者のパターンんでレストランで食事をして帰ろうとすると、セキュリティに呼び止められました。どうも買い物のチェックアウトをしないでそのまま帰ってしまう不届き者もいるようです。レシートを見せるとと事なきを得たのですが、そのようなことで呼び止められるとドキドキするものです。

IKEA を見て回りながら、帰国したらあれを買いたいな、などと考えていました。

PS. レストランのサーモン、さすがに北欧スウエーデンの店だけあって、いい塩味。

(2018.8.18)

★今回の教訓: IKEA お得意の小物を買ってきた。iPhone用のスタンドだが£1台と驚異の安さ。以前神戸で500円で購入したクロックは残念ながらなかった。

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オックスフォード通信(137b)詐欺メール(続報)

前回の詐欺では十分な情報が得られなかったようで(やった!)追加のメールが今朝、来ました。

みなさんもご注意下さい。

メールのリンクから案内される「偽アップルサイト」(リンクを貼ろうと思ったのですが、二次利用しようとすると正規のアップルサイトにリンクしてしまいます。手が込んでいる)。

(Appleのブラウザー Safariなら以下のリンクをアドレスにコピーすると偽サイトにジャンプします。クリックしてFirefoxなどが起動すると正規のアップルサイトにジャンプしてしまいます)
https://jpmailauthentent.serveirc.com/IDMSWebAuth?appIdKey=z7Tz4qimsMGm5L6xxNkaSlVbiDzaPzQE5JfJIiLiEPJpkNkIfOu3fEK1CEdrhVWqdalX4UCrps2A5xsj#

見分け方:上部のリンクはどれをクリックしてもジャンプしない。

★今回の教訓:同じ轍は踏まない。詐欺メールで賢くなる

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オックスフォード通信(137)詐欺メールに引っかかってしまいました

教員の仕事をしている立場もあり、常々、リスク回避や特に詐欺まがいのメール(フィッシングなど)には注意しているつもりでした。ところが人間には弱みがあるものですね。

私の場合にはアップルと同志社です。

誰しも信ずる人や組織があるものです。その人達から言われたりそこからのメールであると警戒心が突然低くなってしまいます。

朝、メールの整理をしている中で、アップルから下の写真のようなメールが来ました。今、その添付で送られてきた文書だけを見るとおかしいと思うのですが、「あなたのアップルアカウントが凍結されたので再設定してください」というメールにまんまと乗せられてしまいました。

誘導されたアップルのページもそっくり。そこではアップルIDやパスワードの再設定、そして利用するクレジットカード番号、有効期限。そして3桁のセキュリティー番号を入れるように促されます。何かを買ったわけでもないのにそのセキュリティー番号を入力するように言われた段階でおかしいと気づくべきだったのですが、それがアップルのページだっただけに疑うことを忘れていました。

これがオレオレ詐欺に始まる詐欺の秘技なのでしょう。相手の警戒心を解く

次へのページでは、インターネット決済番号の入力が。さすがにこの段階で「おかしい!」と気づきました。これは本当に何かを購入する際のページ、買っていない。

ただ、ここまでで散々電話番号なり住所、クレジットカード番号を入力。

その後、暗澹たる思いで、アップルIDのパスワードの変更。日本のクレジットカード会社に国際電話をかけてクレジットカードの停止してもらい番号の変更を依頼。ということはカードが新しくなるわけですが、イギリスに送付はしてくれる訳もなく、クレジットカードの住所をまず日本の実家に変更し、そちらに送付してもらいそこから国際便で新しいクレジットカードを送ってもらうことになりました。

金額の被害はなかったものの、クレジットカードは2週間くらいは使うこともできず、バックアップで持参したもう一つのカードは使ってみると実は古くてICチップが入っておらずスーパーなどの決済マシンで暗証番号入力という形では使えないことが判明、といろいろとややこしい事態になっています。

本ならすぐに方が付く問題も海外では問題が複雑になってしまいます。

まあ、自分の浅はかさと観念してこれからに活かしたいと思います。みなさんも、特に海外で生活してをしている日本人のみなさんも詐欺メールには十分ご注意ください。

(2018.8.11)

★今回の教訓:悔しい。
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オックスフォード通信(134)Scissors, please!?

調子に乗って散髪に行ってきました

調子に乗ってというのは、過去2回、居住のサマータウン内にあるバーに行っていい感じだったので、昨日、ちょっと時間がある、バーバーの前を自転車で通りかかる、じゃあ暑いので髪の毛をカットしてもらおうと、と軽い気持ちと思いつきで行ってきました(サマータウンには日常生活に必要なお店は親切な自転車屋さんからコインランドリー、銀行、教会まで一応全部揃っています。スーパーマーケットも4店舗あります)。

いい話はそうそう続かないということを実感しました。

これまで良かったのはイタリア系の人の良さそうなおじさんが過去2回とも切ってくれていたからだと悟りました。昨日は、初めてみる、どうもロシア系の女性でした。裾を短く、前は少し切って、てっぺんはそれほど切らなくていいとお願いすると、すかさずバリカン (hair clippers) を持ってカットとしはじめたのです。

羊の毛皮を刈る作業がありますが、まさにカットではなくて刈る、あんな感じ。大抵散髪では最初にお願いしたら何も言わないのですが、思わず語尾を強めて言ってしまいました。

Excuse me!

バリカンじゃなくハサミでしてほしい、そんなことをしたら刈り上げになってしまう。でも返ってきた答は、ならはじめにハサミでカットするように言ってよね、もう始めたので遅いわ、そんな感じの反応が帰ってきました。

そんな話は聞いたことがありません。でもバリカンを持っているのはその女性です。話は平行線でそのまま進行。回りはバリカンでカットされてしまいました。

さすがに前髪や中心部のカットはハサミでしたが。険悪な感じでオックスフォードに来てから3回目の散髪は終わりました。

いつもより£1安かったのはバリカンのせいでしょうか。帰り際に、今後ははじめにハサミがよければハサミって言ってよね、とのたまわっていました。ならはじめに聞いてよ、と思うのですが。横にいた別のバーバーが伏し目がちにすまないね、のような仕草をしていました。次は彼女がいない時に散発に来ようと思います。

ただ出来上がりはいつもとそれほど変わらないようで、それがまた悔しいところでした。
(2018.8.8)

★今回の教訓:昔から歯医者と散髪屋さんは変えるな、と言われている理由を実感。来春、日本に帰国しても河原町丸太町のバーバーのNさんはまだやっているかな。今度はもう一軒の少し高そうな個別予約制のカットもあったように思うのでそちらに行ってみようかな。または例のおじさんのいるときに行ってみようかな。イギリスは気のせいか、散髪屋さんに限らず店のスタッフが日によってゴロッと変わっているような気がする。
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