サマータウン 通信 (#3) くらい霧を吹き飛ばしたい・・・

現在(2021年4月7日)においても尚、日本のみならず世界中が新型コロナウイルス感染症下にあります。

どのような物事にも、見方によっては良き側面と負の側面があると言われますが、なかなか良いところを見つけるのは難しそうです。日本全体を覆う晴れ晴れしない状況はすぐにでも何とかしたいものです。

人々がそのような気持ちになるのはもちろんCOVID-19やワクチンがいつまで経っても日本では接種できないなどの事実によるものがあると思いますが、それだけではないと思います。実はトップに立つものがヴィジョンを示さないことに起因する部分が多いのではないでしょうか。

例えば、単に、飲食点に営業時間の短縮を要請したり、外出や外での会食を控えるように呼びかけるだけでなく、その先には「こんな未来が待っているよ」という出口イメージを語ることが重要なのではないでしょうか。トンネルに入っている時に誰も不安に思わないのは必ず出口があることを知っているからです。出口のイメージ。ひと言で言うとビジョンです。

では具体的にはどのようなことなのでしょうか。

それは、「COVID-19の影響で日本はこのように変わってきた。でも、これは悪いことばかりではなくて、これまで断ち切ることの出来なかった因習がバッタバッタと無くなっていった。もちろん、その中にはなくては困るものもあるけれど、これからの社会を明るくしてくれる「種」もある。それらをうまく活用して、誰にとっても、明るく・楽しい未来を創っていこう!」と力強く明示することです。ひと言で言うと「未来は明るい」と語りかけることです。ウソはいけませんが、将来に希望がないとやる気も起きません。トンネルの先を、見せることです。

確かに、この1年間、会議は(大学でも)激減し、歓送迎会は皆無となり、テレワークや遠隔授業を多くの人が経験するなかで「案外良いところもあるじゃない」ということが分かってきました。会議においては、少なくとも、「開催する・しない」、するとしたら、「対面・遠隔」、と選択肢が出てきました。そのために多くの場所でWifiが整備され(私の勤務する大学でも2021年度から教室が100%接続になりました)、タブレットやラップトップコンピュータを持つ人が一層増えてきました。

でも、これらを使って、どのような未来が待っているのだろう、ということは誰にも分かりません。リーダーにも分からないでしょう。しかし、分からないなりに、未来を「空想」することが求められていると思います。

その際、役に立つのが組織なら「創設・建学の理念」、個人なら「記憶」でしょう。同志社には幸いにも「自由・自治」という堅固な柱があります。それは手段でもあり、目的でもあります。自由で平和な世の中を作ることは究極のゴールですが、そのためにもフラットな人間関係を大切にし、民主的な組織を運営していかなくてはなりません。そのためにも、今後10年間、20年間の「ロードマップ」(青写真)を作るといいと思います。それができている組織はそれを年毎に細分化し、各年のゴールとすることです。それらがあっても、進まないという場合には、方法論としての「楽しさ」が不足しているのでしょう。英語学習でもそうですが「楽しくないと続きません」。

楽しく、ゴールに向けて、進んでいく。これができれば、COVID-19も一掃できそうに思いますが、いかがでしょう? (2021.4.7)

★未来を夢見るから人は頑張る事ができる。

サマータウン 通信 (#2) Visionary

先を見通すことは難しい。

誰もそのような事はできない。しかし、前例主義に陥るのと、少しでも先を見通そうとする者には大きな違いがあり、時に大きな損失を被ることになる。

今回の新型コロナウイルス感染症についても同様である。誰もこのようなパンデミックが起きるとは予測はできなかった。台湾の例に見られるようにいち早く動き始め対策を練り始めた国とそうでない国で大きな差が見られた。国内においても、大学の対応についても同様である。

数学は役に立たないと言う人がいるが、そんな事は無い。特に、数学で学んだ「場合分け」の考え方は現在の私の思考方法に大きな影響を与えている。(i) a >0の場合、(iI) a =0の場合、(iII) a <0の場合、という例のものである。

要するに、将来をPlan A, Plan B, Plan Cといくつかの場合に想定して、その時どのような行動を取るのか対策、特に組織であれば、Contingency Plan(緊急対策)を考えておくのだ。日本で必ず行う「避難訓練」も同様だし、コンピュータのバックアップを取ることも同様に考えに則っている。

最良を願いながら最悪の事態に備える。この言葉をこの半年、新聞やテレビでよく耳にした。誰も最悪の事態は歓迎しないがその備えの方法は「数学の場合分け」が基礎となる。

2020.9.10

★数学のようにすぐに役に立ちそうにないものほど一番役に立つ。

サマータウン 通信 (#1)

イギリス・オックスフォードから帰国して早2年目。この夏休みを利用して「オックスフォード通信」全365回+番外編を編集しました(Hatena blogがゼミなど多目的に利用しているため、私個人のブログに編集し直しました。内容は基本的に同じです。Hatenaが付けているリンクを解除したのですが残っているものがあるかもしれません)。振り返ってみると忘れていることが数多くあることに驚きます。記録は残しておくことが重要だと思います。

オックスフォード通信の続編ということでもないのですが、備忘録として、記録や考えを時々残しておく目的で、私がオックスフォードで居住していた愛すべき街、Summer Town にちなみ「サマータウン通信」としてブログを開設します。当然のことですが、ここに記載される内容はあくまでも若本夏美個人の考えであり、所属する大学や家族・親族とは全く関係ないことを明記しておきます。写真はすべて個人で撮影したものです。文章も含め著作権は若本個人に帰属します(© N. Wakamoto)

★時々、肩の力を抜いて書かせて頂きます。よかったらコメントも時々お書きください。(2020.9.8)