オックスフォード通信(番外編: 367)インベントリー・チェック

イギリスのフラットの退出(チェックアウト)は独特です

入居も大変だったのですが、チェックアウトする場合にはいくつかの手順を踏まなければなりません。今回お世話になった、FindersKeepersからは1ヶ月前にTo-doリスト(週ごとに分けてある)が送られてきます。

その一例は以下のようなものです。

2-3 months before your tenancy ends

Confirm your final inventory check appointment time with your contact

Ask telephone/broadband/satellite suppliers to temporarily stop the service and give them your new address

Arrange for your mail to be forwarded by Royal Mail

1-2 months before your tenancy ends

Book your pre-checkout appointment with your contact

Book for your carpets to be professionally cleaned by a carpet cleaning company **hiring a carpet cleaner or doing this yourself is not acceptable**

Book cleaners: general; oven; upholstery; windows

Book gardeners

As appropriate:

Take down curtains for dry cleaning (if required) and get re-hung *get receipts*

Order oil/coal/wood to replace stocks as necessary

Arrange for septic tank to be emptied *get receipt*

Arrange for chimneys to be swept *get receipt*

1 week before your tenancy ends

Check through your inventory and put everything back in order

Replace damaged or broken items if possible

Replace blown light bulbs and extractor filters

Replace batteries as necessary for smoke alarms, doorbells, CO detectors and telephone handsets

Arrange access for your professional carpet cleaner *get receipt*

Ensure refuse has been collected and your bins are empty

As you leave

Leave heating on constant at 15° (between October and March)

Turn off immersion water and heating (between April and September)

Check that all windows and external doors are shut and locked wherever possible and internal keys are left on worktop in kitchen

Set alarm if applicable

Handover all keys, remote controls units and parking permits to Finders Keepers

特にこの中でもクリーニングが問題です。今回、1年間の居住で室内はもちろん土足ということはありませんでしたのでかなり綺麗だったのですが、この不動産業者(letting agency)の規定で(ひょっとしたらイギリス全体?)プロの清掃業者に依頼をしてカーペットのクリーニングをしてもらわなければなりません。最初は自分でしようかと思ったのですが、プロに依頼をして領収書をチェックアウトの際に提示しなければならないということで、自分ですることは断念して、あらかじめ送られてきたリストから1社選んで委託することにしました(結果的に転職してしまったのですが、FindersKeepersのSimonに良さそうな業者を教えてもらいました。そして来てくれた業者もSimonでした。Simonに縁があるようです)。

Indigoという業者名のSimonはどうも個人経営のようで、引っ越しの前日に一人でやってきてみっちり2時間半、カーペットのクリーニングをしてくれました。よくテレビショッピングで宣伝しているようなお湯を噴射してゴミを浮きだたせて吸い取る、それの巨大版のようなマシンを持ってきました。オックスフォードは3-4階建てくらいの建物が多いので、そのような建物にはリフト(エレベーター)がついていることはほぼないので、機械自体を持って上がるだけでも大変です(地上にマシンをおいておいて長いホースを伸ばすという手もあるそうです)。

性格の良さそうなSimonは30才、3人の子どもがいるそうで、オックスフォード郊外に住んでいるのが楽しいそうです。コツウォルズを回っていると言っている意味がよく分かります。どのような小さな町や村にもパブ、教会、スーパーマーケット、この3点セットは揃っているのであまり不自由しないとのことです。 £120ですから約18000円くらいの経費です。

そして、インベントリー・チェック。200項目にも渡るチェック項目表がありました。特に今回は家具付きのフラットだったため項目が多くなっていたようです。とてもとても細かくて、例えば、スプーンは4個あるか?ワイングラスは2つあるか?というチェック項目にチェックを入れていきます。まわりの皆さんからもこのインベントリー・チェックは厳しく大変だと聞いていたので2-3日前にはチェックをはじめました。実は入居の際にもチェックしているので「事前ー事後」というセットになっています。よく研究でも質問紙を利用しますが、30項目くらいを超えると集中力が切れてきます。段々面倒くさくなってきて、あまり考えずにチェックマークをいれてしまったりします。

そして当日。インベントリーチェックでは、スプーンが1本紛失、ワイングラスが1個破損、キッチンのシンク下のドアの取っ手が取れてしまっている、電球が切れているものが6-7個が問題というところでした。そして、前日になって、ベランダの窓枠が剥がれてしまっていることを発見。これは私の責任外のはずですが、どうやって話をしていこうか、考えあぐねていました。

インベントリーに訪れたのは若手女子社員のJさん。細かく見るけど気にしないで、と訳の分からないことを言いながら30分くらいかけて各部屋を見てゆきます。そして、協議。すると、最初から無かったはずのイスとか電気スタンドがないと。それはおかしいと、話をしていると、Jさん間違えて1年前のチェックリストを持参してしまっていました。形勢逆転ではないが、いい感じになってきました。しかも、こちらのチェックリストを見せろと言わないので、どこが問題だと私が思っているかJさんには分からない。自己評価をさせればそれを開示させることは重要です。話をしているとJさん、電球だけで他のドアのノブがないことやスプーンなどは見逃しているようでした。ベランダには出ようともしませんでしたの、窓枠の問題も見つけることができるはずはありません。しめしめ。ただ、General Cleaningといってバスルームなどの全般的な清掃は必要となるそうで(Simonは要らないと言っていたのですが)、電球とそのクリーニングのみでチェック終了。サインをして、後日、精算となりました。少し拍子抜けという感もあったのですが、無事終わってよかったです(FindersKeepersに連絡しないで下さい)。

ただ、このチェックがすごいと思ったのは家中のものを200項目以上に分けてリストアップしていること。しかもそれぞれを1-2行で端的に説明しているところです。これはもう執念とも思えるくらいです。

これからイギリスでフラットを借りる方のご参考になれば幸いです。

PS. 結果的にオックスフォードでアパートを探すなら、物件の近くにあるFindersKeepersが最適だと思います。対応は親切できめ細かく(例えば洗濯機が壊れたというと修理したり、最終的には新品を入れてくれた)、多くの物件を知っています。最初は分からなかったのですが、私が当初飛び込みで相談していた不動産業者は主として家の売買を専門としているところでした。

★今回の教訓:万全の準備は重要。

(2019.3.28)

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オックスフォード通信(365/00)さらばオックスフォード!

ひとは何を目指して生きるのでしょう

オックスフォードではいろいろなことについて考える機会がありました。もちろん、よく生きること、社会に貢献できるような生き方をすることは重要だと思います。でもそれ以上にその人が生きがいを感じたり、楽しいと感じたりすることが生きている中にあることが重要だと思います。

と、ここまで書いてこれもまた少し違うようにも思います。オックスフォードの中心街のコーンマーケットでほぼ一日中、ギターの弾き語りをしている方がいます。大抵ボブディランの風に吹かれて(Blowin’ in the wind)を歌っています。なかなかいい声で歌詞が心に響きます。

この歌声を聞いていると何かを目指して生きて行くことが間違っているのかもしれないと思えてきます。目標とか考えすぎると大切なものをその過程で見逃してしまうのかもしれません。

イギリスでは自分の意図と関係なく多様な生き方を目にしてきたように思います。そのような中で、強く感じるのは日本人は本当は幸せであるはずだということです。変な言い方ですが、現在の経済・社会状況を世界的にみると日本はかなり好条件の恵まれている環境にあると思います。なのに、なぜか、幸福感が漂ってこない。

それは目標を立てすぎたり、人と比較をし過ぎたりしていることもあると思いますが、何よりも、間違ったこと、それが多少であってもそこに目が行きすぎて、多少の反対のよくできていることに目が向いていない事だと思います。ひと言でいうと、日本のいいところ、同僚のいいところ、友だちのいいところ、学生のいいところ、子どものいいところ、親のいいところを見ようとしてないところに問題があるのではないかと思うようになりました。

特にテレビの影響は甚大です。ゴシップ的な内容はイギリスではほぼ取り扱われることがありません。それを得意とする新聞をのぞけば新聞でもテレビでもゴシップネタは目にすることはありません。ゴシップとは極論すればスタンダードからの逸脱だと思います。日本はその逸脱の幅が極端に狭いようにも思います。それが窮屈に思ってしまう原因なのかもしれません。

よくグローバル社会とかグローバル化と言われますが、世界と比較して日本の優れたところをもっと互いに認め合い、そこに自信をもつことこそがそのひとつの方法ではないかと思います。

いよいよ本日、オックスフォードを離れます。Before Oxford (BO) とは異なる視点をもってAfter Oxford (AO) の日々を過ごしてみたいと思っています。

このブログもオックスフォード通信 1号からこの365号まで何とか続けることができました。これも皆様の温かいご声援のおかげと感謝しております。このブログを書きながら自分で発見することも多くありました。特に、ブログを書くことよって、1日1日を大切に過ごすことができたように思います。これをひと区切りとして更なる発展の道を探ってみたいと思います。引き続きご支援賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

★今回の教訓:あらためてイギリスは奥深い国だと思う。と同時に英語も面白い研究分野であると改めて実感。

(2019.3.27)

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オックスフォード通信(363/02)Bodleian Libraries

今回のオックスフォード大学での在外研究で一番多くの時間を過ごしたのがこのボードリアン図書館です

ボードリアン図書館とはオックスフォード大学のほぼすべてのカレッジや学部にある図書館と中メインの図書館の総称です。所属していた教育学部の図書館にも随分とお世話になったのですが、特にOld LibraryとRadcliffe Cameraは多くのインスピレーションが沸いてきた場所でした。

Old Libraryにはハリーポッターの映画にも出てくるDuke Humfrey’s Reading Roomと言われる閲覧室があり主に人文系の歴史的なレファレレンスが並んでいます。ボードリアン図書館ツアーでも回るコースになっているのですが、私は最初、ここには特別の許可がないと入ることができないと思い込んでいていつも羨望の眼差しで見ていたのですが、この図書館で働いておられる日本人のMさんがたまたま受付(監視係?)をしておられる時に伺うと、私も閲覧室に入る資格があるとのことでそれからは何度も入らせて頂き、じっくりと思索させて頂くことができました。

ただ、このDuke Humfrey’s Reading Roomは特別な場所で、もともとボードリアン図書館内は全ての写真撮影は禁止なのですが、特にここは厳しい場所です。一度、あまり知らずにここを通りかかって写真を撮ったところ係員から厳しく注意を受け、写真の削除をさせられたこともありました(知りませんでした・すいません)。

またこの閲覧室に入るには(となりのWeston図書館も同様ですが)、持ち込む荷物を透明の袋に入れ替えそれ以外のカバンなどはロッカーに預けないと入ることが許可されません。ラップトップのケースも不可でコンピュータを取り出した状態でないとだめです。これは盗難防止のためだと思いますが、ロンドンの大英図書館のReading Roomも同様の措置がとられています。

しかし、このDuke Humfrey’s Reading Roomは素晴らしい場所です。ほどよく薄暗く、回りを多くの偉大な先人の絵が取り囲みます。この場にいると自分が歴史的にはほんの短い時間を生きていることを実感するとともに、知が歴史的につながっていることを感じます。

誰も物音を立てることもなく静かに豊かな時間が流れていきます。

同様のことはこのOld LibraryとGladstone Linkというトンネルでつながっているラドクリフカメラも同様です。外から見ると素晴らしい景観ですが、内部は更に一層、知の殿堂・知が産まれる所という感じがします。写真を撮ることが許されていないのでお見せできないのが残念ですが、この場で構想を練ると質の異なるアイディアが浮かんでくるのが不思議です。

入場にも退場にもIDカードでチェックをする厳重さですが、その面倒くささを乗り越えた先には豊かな空間が広がっています。日本でもこのような場所を探したいと思います。

★今回の教訓:図書館のありがたみを実感したこの1年間。日本でも図書館をもっと有効に使いたい。

(2019.3.25)

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オックスフォード通信(352/13)ムービングセール

引っ越しの準備が佳境を迎えつつあります

とはいえ、現在住んでいるフラットはファーニッシュト(Furnished)で家具付きですので売りさばく(?)品目は数が限られています。最大の目玉のはずだった車は廃車になってしまいましたので(それでも廃車によって£164、また自動車保険の解約で約 £100、払い戻しがありました)、ソニー製のテレビ(32型)、自転車2点、未使用の布団2点、デスクスタンド、延長コードくらいです。

さて、昔トロントのアパートを引き上げる際はNot Furnishedでしたので、全てのもの、それこそベッドからデスクまで売りさばく必要がありましたで気合をいれてオープンハウスをしましたが、今回はMoving Saleのメールを関連するネットワーク(オックスフォード新規居住者向け)に送ることにしました。

綺麗に写真を撮り、送信。すると、2時間以内に10件の問い合わせ(メールまたはText=SMS)。反応の早さにビックリしました。特に人気なのがテレビと自転車です。これで儲けようと思っていませんでしたのでかなり低めの赫々設定が良かったのかもしれません(自転車は £30と £5)。布団も昨日の内に完売。残りはデスクスタンドと延長コードですが、もうこれは誰かにあげて帰る方がいいかもしれません。

いよいよ回りも片付きはじめ、帰国が現実的になってきました。本当はBrexitとともにイギリスを去る予定でしたが、6月末まで延期になってしまったため、平穏に去ることになりそうです。

★今回の教訓:Moving Saleはなかなかスリリングで楽しい。反応があるのが面白い。魚釣りに似ている?そんなことはない。一度、日本の研究室でもやってみようかしら。(写真の自転車はオーストラリア人がご購入、 £30=4500円、ちなみに半年前に前輪のタイヤ交換= £30)。

(2019.3.14)

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オックスフォード通信(342/23)MOT

車の車検に落第しました

帰国に併せて車をこちらで売却する予定にしていました。ただイギリスでは最初の3年でしたか、それを過ぎると毎年車検(MOT: Ministry of Trasprotation)があり、現在乗っているNissan Almeraも来たる4月3日が車検の期限ですので、少しは早い目に終えておこうと、3月4日を予約しておきました。

本当は前の所有者のK先生から教えて頂いたTさんにしてもらうはずだったのですが、連絡をしてもなしのつぶて。しかたなしにKidlintonにあるNissan販売所に連絡をしてMOTを受けることに。朝の11時にピックアップに来てくれて予定では同じ日の午後4時に返却の予定でした。ところが、その4時くらいに怪しい電話がかかってきました。

どうも車検を通すには修理がかなり必要らしく、NISSANまで来て欲しいとのこと。朝と同じ女性が若手の社員を伴って登場。駐車場に置いてある日産の車を持って帰るための要員です。キドリントンまでは20分くらい。道すがら大体の様子を聞きました。すると流石に2000年製ですので19年前の車はガタが来ているようで、多くの部品を交換しなければならないとのこと。特に深刻なのがエンジンからのオイル漏れとのこと。そういえば、先日ストーンヘンジまでドライブした際、キーキーという音が前部から聞こえていました。ただやっかいなのはこのMOTが登録されてしまっていると、車検を通さない限り車に乗れないとのこと。予定では3/20まで(私の国際運転免許証の期限が切れる)は乗る予定にしていました。

支店に到着するとRさんが事情を詳しく説明してくれました。修理事項がズラリと。少なくとも £1500、ひょっとすると £2000(=30万円)はかかるとのこと。それだけのお金があれば中古車が一台買えますし、第一転売することが難しいです(正直に告白しますが私はこの車を £600で売ってい頂いています)。しかも修理には2週間かかるとのこと。

本当はこの車のバトンを次のY先生に渡す段取りになっていたのですが、こうなると断念せざるを得ません。無念です。半年でしたが、コツウォルズを中心にいろいろなところに連れて行ってくれました。もう少し走らせてやりたかったです。

ただ帰りが大変。Rさんから書類のサインしろとのこと。よく見ると、こんなことが書いてあります。この車は車検が通らなかった危険な車、自宅などまでこの車に乗って帰るというけれど、私達には責任はありません。ドライバーの責任です。もし途中で警察に呼び止められたら £2500の罰金は本人が払いますと。ええええ。先ほどの説明ではRさんはダッシュボードにおいておけばしばらくは運転出来る証明書をあげると。話が違う。でも仕方ありません。警察に出会わないことを祈りながら20分の道を、同時に最後のドライブですので、Almera に感謝しながら運転をしました(時刻は午後6時半くらい、何しろ右のヘッドライトが切れていますので、パトカーにすれ違ったら一巻の終わりです)。

幸い、無事フラットの駐車場に到着。よく見ると一度も洗ったことがないAlmeraが外も中もぴかびかに。さすがNISSANです。Rさんともいろいろな話が出来て面白かったです。でも、ここでAlmeraがとお別れとは思っていなかったので満開の桜をバックに寂寥感が増す夕暮れとなりました。

★今回の教訓:車検はどこの国でも甘く見てはいけない。通らないかもしれないと思っていたらもう少しゆるそうな工場に持ち込んだのに。ただ、不十分な点検で次の方にバトンタッチも申し訳ない。何やら、ゲームの黒ひげ危機一発によく似ているような気になりました。

(2019.3.4)

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オックスフォード通信(336/29)Witch’s shot

オックスフォードで二番目に恐れていたことがぎっくり腰です

2年前に朝起きようとして腰全面(両側)がぎっくり腰になっていてどうにこうにも起き上がれず、這うようにして車に乗って(カーブに来ると腰が痛んだのを覚えていてます)大学に行ったのを覚えています。その後亀岡市内のK整形外科に行ったところ、レントゲン台に上がれと冷たく言い放たれ、レントゲン台に上がれるようならここに来ないとおもったの(うらみ)をハッキリ覚えて老います。

なのでオックスフォードでは絶対にそうならないように朝起きるときにも腰のウオームアップをしてから起き上がっていたのですスが、少し油断していたのでしょうか、昨日の朝、シャワーを浴びようと少しかがんだところ、左側の腰に激痛が走りました。

マズイ!

後の祭りです。もともと、ドイツ語で Hexenschuss といわれたのをそのまま英訳したのがwitch’s shot(魔女の一撃)です。一般的にはlumbago、lower back pain と言われているようです。昨日は何とか車の運転もできて、昼の間は元気だったのですが、夜フラットに帰ってくる頃に再び激痛が。日本のF先生に念のためにといって頂いた、シップと痛み止めの頓服剤を飲んで就寝。また、ぎっくり腰をしたことのあるひとはご存じですが、ベッドに上がるのが一苦労。腰に負担がかかると激痛が走ります。でも幸いにも熟睡できた朝になると元気になっているかと思ったのですが、そんなことはなくて、むしろ症状が悪化しています。というよりも、寝ている時の状態から違う状態に移る時が一番しんどいのですね。10分くらいかけて(本当です)はうようにしてベッドから降りて、たどたどしい足取りで洗面台へ。

本日は所用でロンドンへ行くはずだったのですが、諦めてキャンセルすることに。早く直せるようにしたいと思います。

本当に魔女の一撃でした。

★今回の教訓:病気やケガが海外生活の一番の不安。なったものはしかたないけれど。何とかしたい。

(2019.2.26)

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オックスフォード通信(298/67)ついにオックスフォードでラーメンを食す

イギリスにきてはじめてラーメンを食べました

もちろんインスタントラーメンはフラットで何度も食べていますが、外食で何度もチャンスがあったのですが、これまで全て見送ってきていました。

オックスフォードにはウエストゲートというショッピングセンターがあり、そこにはSHORYU(昇竜)というロンドンを中心とするラーメンのチェーン店が入っています。あまり禁断症状は出ていないので、通りかかった際に値段をみると日本の2~2.5倍の料金(約1800円くらい)なのともともとあまり好きではない博多豚骨ラーメン風であることから特にいくこともないか、と思っていました。

オックスフォードには日本料理専門店として2店あります(K店とE店)。その内、K店はNISSAN Instituteの近くにあるのでその前をよく通りかかっていましたので雰囲気が割と分かっていました。とんかつや味噌汁など取り立てて魅力的でもない感じでした。一方、E店はオックスフォードの中心部から少し東に行ったところにありお昼時など大行列でメニュー云々よりも行く気にもなれませんでした。

ところが他の料理はそれほどでもないが味噌ラーメン(ピリ辛・ポーク)が絶品であるという行った人の話(日本人)を小耳に挟みました。これは・・・と触手が動き出しました。

行ってみると(実は以前に一度行ったことがあります・その時は刺身定食を注文)案の定、店の外までのまあまあの行列。と思ったら、中でも待っている人がいる。しかし流石日本料理店で手際が良く、テキパキと料理が出る→終わった人の片付け、が繰り返されそれほど待たずに順番がやってきます(10分くらいの待ち時間;問題はカフェか小料理屋と勘違いしてちびちびご飯を食べたり少し残しておいて話し込んでいる、主にヨーロッパ・イギリス系のお客さん)。

さて、座るとすぐに注文が聞かれ、同時に支払いも済ませます(イギリスでは本当に滅多に見ない手際の良さ、素晴らしい)。更に待つこと5分くらいでラーメンが運ばれてきます(お客さんの半分以上はアジア系、中国・韓国からの留学生風、日本人はほぼなし)。

絶品です。

スープの完成度といい、麺のしなやかさといい、ラーメン専門店として出店しても世界のどこでもやっていけるだけの質の高さです。もやしなどの食感も久々。味噌とピリ辛がうまく融合しています。久々に日本のラーメンを食べた、という満足感とどこからともなく沸いてくる気力を感じます。食事は重要だと思います。単に食べるだけでなく、意欲に影響してきます。これなら少し並んでもまた食べてみたいと思います(他のメニューはそれほど魅力的に映りませんが)。

美味しいラーメンを頂いたと思います。

★今回の教訓:日本料理はオックスフォードでも大人気。この店でラーメンを食べている人もチラホラいるが、箸使いの問題か、ヨーロッパ系のみなさんは少し敬遠気味か。

(2019.1.19)

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オックスフォード通信(290/75)新年会

St. Antony’s College にあるNissan Instituteの新年会に参加させて頂きました

私はカレッジに所属していませんので本来は参加できないのでしょうが、Nissan Instituteのセミナーに足繁く通っている中でI先生をはじめいろいろな先生方とお話する機会が増えてきたこともあり、ご招待していただきました。

ポトラック形式の新年会でしたので、夏に(!)友人のIさんがやって来た時に持ってきてくれた稲荷を使って、妻がいなり寿司を綺麗に仕上げて一緒に出かけました。こう書くと自然ですが、日本であれば大学の新年会に家族で参加することはまずないように思います。

St. Antony’s CollegeにはNissan Instituteが有る影響で著名な日本人社会学者K先生をはじめH先生(同志社大学のビジネススクールのメンバーでもあるそうです)など多くの日本通の先生がおられます。またK先生のもとで博士論文を書いている日本人大学院生や私のようなサバティカルで所属している日本の大学教授もおられ、ちょっとした日本グループが形成されています。

普段のセミナーと異なりこのような場面ではつい本音が出るのがおもしろいところです。会も終盤という頃に、自然と数名の日本人が集まり、老後の話で盛り上がりました。その中で議論の中心になったのは、学者にとっても有意義な60代の過ごし方はというものでした。

年齢的に学内外の役職が回ってくることもあろうかとおもうけれど、それはなるべく遠慮するべきであるというのがその場の結論でした。自分の好きな本を読んで、自分の好きなことを書く(このブログもそうかも?)、好きな時間に好きなことができる時間的余裕があることが重要だというものです。

在外研究という日本の大学のしがらみから一切解き放たれてる状態ですので、研究とはほぼ無縁の業務・ペーパーワークに終われるあの忙しい毎日をすっかり忘れていたのですが、ここオックスフォード大学では、ほとんどの先生がそのような雑務に追われることなく、自分の好奇心が向くままにゆったりと過ごしておられる姿と符号するような気がしました。

自分の好きなことを追求するからこそ返って生産性が高く質の高いいい研究ができる。そのような60代はいいものだと、得心しました。この新年会に来て良かったなと思いました。これから10年間のロードマップが見えたような気になりました。変な功名心に駆られることなく、自分の研究の集大成をする、そのような10年間を何とか実現したいと思います。ご協力を!

(2019.1.11)

★今回の教訓:明日は父の誕生日。生きれていれば95才。まだまだ父を超えられない。

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オックスフォード通信(226)エジンバラ紀行(2) CranachanとスティーブンソンComments

エジンバラの人は気さくで親切です

旅行をしていてそれほど多くの方と話をするわけではないのですが、でもホテルで、パブで、観光地で少し話をすることがあります。その端々からその人となりが伝わってくるのは面白いものです。

最近はまずホテルに着くと<span class=”deco” style=”color:#FF0000;”>ホテルのスタッフにその街の美味しいレストランを聞くことに</span>しています。そしてなるべくその地方の料理を食べることのできるお店を。その際に料金で高いところから手頃なところまで3つほど教えてもらうと完璧です。

エジンバラでも到着してすぐにホテルに向かい、美味しいランチの店を教えて頂きました。これまでの経験に違わずリーズナブルな料金で(2品どれでも £11といった感じです)エジンバラの美味しいランチを頂くことができました。このテクニックは日本人がバイブルにしている「地球の歩き方」よりも安くて美味しい店に確実にたどり着く方法だと最近は確信しています(9月ウイーン・プラハ・ドイツを訪問した際にももちろん活用しました)。

このお昼をたべたHowiesもまたそのようなお店でした。11:30くらいに行くと12時からなので出直すようにと。でも気になって戻って12時に念のために予約をしておいて良かったです。12時少し前に戻ると日本の人気レストランのように外に人がイスに座って待っています。中に入ると結構広い店内はどんどん人で埋まっていきます。

ここでも店員さんの受け答えがオックスフォードやロンドンよりも親しみがこもったもののように思います。するとビールも料理も美味しく思えるから不思議です。

夜に訪れたDeacon Brodie’s Tavern では更に人情味のある女性店員に会うことができました。この店は予約ができないということだったので、小雨が降る中お店に急ぐと続々と客が入ってきます。1Fがパブで2Fが食事ができるレストランという構造。2Fに行くと40分待ちとその愛嬌のある店員が。14分では?というと強調して40分と。あきらめて帰ろうと思ったのですが、そういえば昔トロントのレストランでよく一杯飲みながら順番が来るのを待っていたことを思い出し、一杯のパブで席を何とか譲ってもらって待つことに。再度2Fに行くとニヤリとしてその店員が40 minutesといいながら日本のレストランであるような順番が来たらブザーで知らせる Pager のようなものを渡してくれます(イギリスで初めてみました)。ビールを飲み始めて待つことなんと5分少々でブザーが鳴ります。2Fにいくとその店員が<span class=”deco” style=”font-weight:bold;”>短い40分だったねえと笑いながら席に案内</span>してくれます。この辺りが旅の面白いところです。

店内には Robert Louis Stevenson の絵がいくつも。聞いてみるとこの店に来ていたかどうは定かではないけれど、この店の近くに住んでいたとのこと。そう Treasure Island (1883) や Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde (1886) で有名なスティーブンソンです。

デザートで勧めてもらったのがクラナカン(Cranachan)というヨーグルトに蜂蜜とウイスキーが少し入ったものです(よく考えるとホテルの朝食のデザートにも似たものがありました。ウイスキーは入っていなかったけれど)。その店員さんにエジンバラは好きですか?と聞いてみると私はエジンバラから少し離れた街の生まれでずっとそこで育った、エジンバラは大きな街ですきではないとのこと。

なるほど、なるほど、と思いながらクランカンを頂きました。

(2018.11.8)

★今回の教訓:訪問するとその街で生まれた作家や作品を読んでみたくなる。その意味では文学は奥深い。私もかすかにスティーブンソンの名前を知っていたからこそ、Tavernでああ、と思うことができたのだろう。そう思うと文学概論などの授業はイヤでも大学生に教え込む必要があるのだろう。ただし、私のような体験談付きで(後日役に立ったよ、と)。f:id:wakazemi:20181108204324j:image

オックスフォード通信(224)楽観主義者の悲観

Romanes Lecture: Dr Vint Cerf さんのレクチャーに参加してきました

このレクチャーの中身もそうですが、最初の挨拶にもあったように1892年(日本の明治時代中期)に始まった伝統のレクチャーらしく、講師は2名の大学の杖を持った人が先導し(レクチャーの間中、杖をフロアに立てて聴衆の方に向かっていました)、入場と共に、”Please rise” と全員が起立し、入場が終わると “You may sit” と座らせてもらえるなど格式を感じます(終わりも同様でした)。

シェルドニアン・シアター自体重みを感じる場所ですが、一層という感じがしました。しかも写真は厳禁、素直に指示に従うことにしました。レクチャーが始まるときには最前列に座っていたガウンを着た2名の大学関係者(おそらくどこかの教授)が帽子を取って挨拶をします(レクチャーの終わりにも)。

Dr Vint Cerf はインターネットのCo-Founderという肩書きが示すようにかなりの高齢でしたが、話し方はハッキリして時々ジョークも交えながらの30分間のお話でした。春がヒラリークリントンで(インターネット中継で見ました)その時はヒラリーだから30分で質疑応答もないのかとおもったのですが、このロマンスレクチャー自体がそのような形式のようです。

インターネットの進化の歴史を縦軸に個々の出来事を横軸にした論理的なお話でした。インターネット自体がアメリカで戦争を想定し軍事用コンピュータを接続したところからスタートしたことなど時々年代が聞き取りにくかったのですが、インターネットは約50年間の歴史を持っていることをあらためて実感しました(実際の開始は1980年代ですが)。

なかでも2007年のiPhoneの発売以来、スマートホンのインターネットへの占有率は高まる一方で現在では50%に上ると述べておられました。またあらためて、Cyber-Spaceという言葉について考えるきっかけになりました。SNSをはじめ、現実を投影するひとつの世界が存在しているということです。その中でSNSは、misinformation/disinformationにあふれている、このセキュリティーをどうするのかという話にも言及がありました。またインターネットは電気に依存していることも事実です。電気が使えない状況ではdisasterに陥るというのはコンピュータを自宅以外で使っていると実感するところです。

新しい話というよりは、インターネットを作った伝説の人から直接、これまでの経緯と今後の課題をお聞きしたというところに意義があるのだと思います。オックスフォードならではの「大物」のお話を拝聴した晩となりました。

(2018.11.6)

★今回の教訓:サイバースペース、どこかで(既に?)現実世界と逆転する時代がくるのだろうか。Vint Cerf は自分は楽観的な人間だがインターネットの将来については Not Optimisticと言っておられた。ところで楽観主義者の悲観と悲観主義者の楽観ではどちらが楽観的だろう?f:id:wakazemi:20181106173852j:image

オックスフォード通信(200)Thinking outside the box

オックスフォード滞在が200日目となりました

この通信も最初は2-3回書けば、と思ってはじめたのですが、イギリスに住んでみて戸惑い、発見、怒り、喜びなどその時に書いておかなければ忘れてしまうものが多くあったので書いている内に50回、100回と回数を重ねることができました。これも「時々読んでいます」といったゼミや大学の卒業生、又は他大学での受講生の皆さんからの温かい励ましがあったからと感謝しております。

この200日で随分、自分のものの見方も変わってきたと思います。

また、来年度の授業の計画を立てる段階でこれまでとは違うアイディアで授業を見ることができるようになったと思います。言い方を変えると、これまでは「こうでなくてはいけない」という固定観念に知らず知らずの内に囚われていたように思います。授業の講時についても、何曜日でなければならない(例えば、4回生ゼミは木曜日の4時間目でなくてはいけないとおもっていたのですが、現在のゼミメンバーに聞いてみると案外月曜日でもいいという返答が多くありましたこの授業は課題を出さなければならないと思っていましたが(外国語教育論では伝統的にMoodleにコメントを書いてもらっていましたが変更してもいいように思います)、課題なしの講義というスタイルでもいいのではないか、その分、参考文献を提示して学習したい学生が事前に学べる仕組みをつくればいいと思うようになりました。

そんなの簡単なことだと思われるかもしれませんが、なかなか変えることはできないものです。一端はじめたことを途中からリセットするのは面倒くさく、腰が重たくなります。

また毎日、夕食を決まった時間に食べられるようになって、これまで夜の10時くらいに帰宅してから夕食を食べていたことが必ずしも良くないことだと分かるようになってきました(今更?)。仕事量は変わらないと思いますので、これからはそれだけ、仕事にメリハリをつけないといけないということだと思います。

来年度の授業時間割も1つの大学の分を除いてほぼ決まってきたのですが、これまで夜の7時半から9時過ぎまで担当してきたある大学院の授業も夕方の4時半からに変更していただきました。

すこし現場から離れてみることは少し遠くから物事を見ることにもつながるということなのでしょう。

Think outside the box、ということですね。

オックスフォードに来る前にある先生から、Before Oxford (BO) – After Oxford (AO) のようにいわば歴史の時代が移り変わるかのような違いがでないといけないと、助言を頂いたのですが、そのような認識の変化が起きているようにおもいます。あとは行動ですね。

このオックスフォード通信も365回まで綴ることができれば、是非「アフター・オックスフォード通信」として続けてみたいと思っています。

引き続き、御愛読の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(2018.10.13)

★今回の教訓:10月はセミナーも多く、コンピュータ関連の講習会にも数多く参加する計画を立てている。オックスフォードの真髄発揮というところか。
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オックスフォード通信(187)コンピュータフェア

コンピュータフェアに行ってきました

といってもフラットの横のFerry Pool Leisure Centerでの開催です。行ってみてビックリ。朝10時開会でしたので少し早い目に行ってみると(といっても5分前の9:55)すでに大行列。皆さんの関心の高さがうかがわれます。

ジムの中の体育館での開催でしたので、ついでにジムに行こうと思って携帯はもっていたのものの手ぶらで行ってみてまたビックリ。入場料が £5も。でも流石にコンピュータフェア。Apple Payで手にスタンプを押してもらって無事入場。

マック、ウインドウズのデスクトップマシン、ラップトップマシンをはじめ、内蔵ハードティスクからマウス、イヤホンからありとあらゆる付属品までのセール。

最初は何も買うつもりはなかったのですが(手ぶら)、見ている内に段々欲しいものが見付かってきて慌ててアパートにお金を取りに戻りました。

最初に購入したのが、車にスマートフォンを固定するアダプター。スマートフォンがナビになっているのであると便利だと思っていたのですが、丁度いいものがあって購入しようと思ったところ現品限りと言うことで £7を値切って(これが大事) £6で購入。

次にBluetoothの小型スピーカーを見ている内に欲しくなり、 £15だったので値切ろうと思ったのですが、中学生くらいの男の子がお父さんの手伝いで販売していたので値切らずに購入(’いい子でした)。

もう一度最初のパーツの売り場に戻って、延長コードがあったので、こちらは £12を £10に値切って購入。これで毎週月曜日のiSeminar毎にコンセントの付け替えをしなくて済みます。

半分はマックのラップトップでかなり綺麗な状態のものでも £300(約4万5千円)くらいで売っていました。セカンドハンドのコンピュータは恐いので購入しませんでしたが、半分はマックというところにアップルの浸透度が分かりました。その他はiPadが多く販売されていました。

帰ってきてBluetoothの小型スピーカーでiPhone経由でApple Musicの音楽を聞いてみました。体育館は広かったのでそれほど音量があると思わなかったのですが、8畳くらいのアパートの部屋では十分。これまではiPhoneで聞くのと差はないと思っていたのですが、スピーカーが少し離れた場所にあってそこから出る音を聞くのと、手元のiPhoneで聞くのとではかなりの違いがあることに気づきました。やはりスピーカーはスピーカーです。

プラハで聞いたドボルザークのスラブ舞曲を繰り返し聞いてみました。いい曲です。いい音楽です。

(2018.9.30)

★今回の教訓:9月も終わろうとしている。いよいよ後半戦へ。

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オックスフォード通信(149)学会

学会に参加しています

たまたまですが、オックスフォード大学教育学部でInformal learningについての学会が開催されているので本日から明日の日程で参加させていただいています。

教育学部の1教室を会場にしての開催ですので参加者数は40名限定ということですが、イギリス国内からだけでなく、スウェーデン、オーストリアといったヨーロッパやアメリカからもこの学会のための参加があります。

私がたまたま座った席の横は今年イリノイ大学大学院で博士号を取得された韓国のJさんとその指導教官のMさんでした。Mさんは今年の8月に京都を訪れてそれは暑かったと言っておられました

この学会には日本語を第二言語として教えておられる日本人研究者のIさんとかBath大学大学院生のMさんなど日本人も数名参加されておられます。その他、イギリス人で日本で教えておられるDさんとかPさんなどの先生も参加されておられました。

日本でもそうですが学会に参加して新たな考えだけでなく、新しい友人に出会うのは素晴らしいことだと思います。

(2018.8.23)

★今回の教訓:どの国でも学会に参加するのは少し緊張するけれど研究へのインパクトという意味で得るものは大きい。

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オックスフォード通信(144)IKEA

車があると少し近郊に足を伸ばすことができます

本日は Milton Keynes にあるIKEA(日本語ではイケア、英語読みではアイケア)に行ってきました。現在のフラットはもちろん借家で来年の3月一杯までなので大型家具を買うことはできませんが、ソファなど色々と見て回るのは楽しいものです。

神戸にもあるのですっかりお馴染みですが、中においてあるものも日本と良く似ています(神戸のイケアで購入した我が家のダイニングテーブルと全く同じものもおいてありました)。日本と唯一異なるのはワイングラスの種類が多かったり、アイスクリームのスクープなどかもしれません。

日本と異なり土曜日でも駐車場に待たずに入ることができるのも異なるところでしょうか?

面白かったのはレストランです。オックスフォードやロンドンで食べるとどんなに安くても£5は下らない Fish and Chips などが£3台、コーヒーなどに至っては£1台です。もちろん、これは買い物のおまけという意味合いもあるし、郊外にあるお店なのでそれだけ安くできるのでしょうが、スウェーデン人が作ったらこんなに安く美味しくできますよ、と言っているような気もしました。それをイギリス人が列を作って買い求めているのも何か滑稽です。

どこの国でも同じなのは、子供です。子供はゼリーやケーキなどの甘いものが好きで、セルフ形式で取って行く中でついつい手が出るのですが、お母さんに怒られて戻しています。お母さんは厳しいですね。

このレストランでは買い物の途中でも立ち寄れるし、買い物が終わった後でも寄れるのですが、後者のパターンんでレストランで食事をして帰ろうとすると、セキュリティに呼び止められました。どうも買い物のチェックアウトをしないでそのまま帰ってしまう不届き者もいるようです。レシートを見せるとと事なきを得たのですが、そのようなことで呼び止められるとドキドキするものです。

IKEA を見て回りながら、帰国したらあれを買いたいな、などと考えていました。

PS. レストランのサーモン、さすがに北欧スウエーデンの店だけあって、いい塩味。

(2018.8.18)

★今回の教訓: IKEA お得意の小物を買ってきた。iPhone用のスタンドだが£1台と驚異の安さ。以前神戸で500円で購入したクロックは残念ながらなかった。

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オックスフォード通信(143)Folyes

ロンドンに行く用事があったので、本屋さんに行ってきました

オックスフォードにはBlackwell’s とWater Stoneという大きな本屋さんがあるので特に本については困っていないのですが、折角ロンドンに行くのだからということで、一番有名な本屋さんに行きたいと思っていました。

イギリス人の友人二人に別々に尋ねるとそろって、それは Folyes だよ、とういことで、Charing Cross Station駅と地下鉄のTottenham Court Road駅の中間にあるこの本屋さんに行ってきました。

中には第二次戦争当時、ナチスドイツに空爆を受けても周りの住民と協力しながら営業していた大きな写真も展示してあったりと歴史を感じさせつつもモダンな新しいビル構えです。

5Fだったと思いますが、本の売り場としては最上階にLanguagesのコーナーがあり、もちろんTESOL(外国語教授法)関係の本がたくさん並んでいるのですが、ラテン語から始まり中国語、イタリア語と諸外国語の書籍が並んでいます。その中でも他言語と比較しても日本語のコーナーが広いように思いました。それだけ日本語に興味を持っている人達がロンドンに多く住んでいるということなのでしょう。

3FにはCDコーナーもありオックスフォードではすっかり見なくなったCDジャケットを眺めて懐かしく思っていしまいました。

それほど巨大な本屋さんではありませんが、本を手にとって色々とインスピレーションが湧くいい本屋さんだと思いました。

(2018.8.17)

★今回の教訓:アマゾンもいいが、本を実際にパラパラめくって見ることの意味は大きい。
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オックスフォード通信(142)Beyoncé

ビヨンセ、というとモデル、歌手であることは知っていましたがそれ以上は何ら知りませんでした

新聞を読んでいる中で、雑誌『Vogue』の中で彼女のこれまでの歩みを振り返る記事が掲載されていることを知りました。

ビヨンセがオックスフォード大学で学んでいたことも意外でしたが、双子の女の子を出産していたことにも興味を持ちました。記事の中では、Non-whiteとして、女性としての生き方、そして自分の子供達への希望が語られています。

Oxford, where I’d dreamed of going since I was a bookish fifth-grader, saved my skin. Oxford in those days couldn’t care less that you hadn’t played varsity hockey or helped build orphanages in Costa Rica; they didn’t even seem to know what an SAT score was. All they cared about was how you did on their entrance exams. Luckily, my enthusiasm for English literature was just as fervent as my taste for nightclubs. When I scraped through the admission tests and was offered a place at Oxford’s Magdalen College, I vowed that I was going to reform. I did.

My mother taught me the importance not just of being seen but of seeing myself. As the mother of two girls, it’s important to me that they see themselves too; in books, films, and on runways. It’s important to me that they see themselves as CEOs, as bosses, and that they know they can write the script for their own lives; that they can speak their minds and they have no ceiling. They don’t have to be a certain type or fit into a specific category. They don’t have to be politically correct, as long as they’re authentic, respectful, compassionate, and empathetic. They can explore any religion, fall in love with any race, and love who they want to love. (Beyoncé, 2018, in Her Own Words: Her Life, Her Body, Her Heritageより)

自分の人生の主人公になるとよく言われますが、人から自分がどう見られるかではなく、自分をどう見るかという言い方も興味深いものです。

(2018.8.16)

★今回の教訓:生き方についてはいろいろな言葉を持っておくほうがいい。

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オックスフォード通信(141)イスラムの世界

しばらく前に、ブルキナファソのピーターさん、ギニアのサマーさん、シリアのオマールさん、そして日本のコナツさんと一緒にランチを食べました(通信114参照)

その日はピーターさんがステーキが好きだというのでオックスフォードの南、カウリー (Cowley) にあるパブでお話をしました。

折角ステーキが美味しい店に来たのですが、サマーさんとオマールさんは宗教的な理由でステーキを食べないというのです。ピーターさんを含め3人ともイスラム教を信仰しています。ピーターさんが詳しく教えてくれたのですが、イスラムではまずポークを食べることを禁じている、これはよく知られた事実です。難しいのはビーフです。

ビーフに関しては、ハラル (halal)によって詳しく規定されていて、要するにこの要綱に沿った食肉の処理をしなければ食べられないとのことです。牛はインドのヒンズー教や日本の神道の一部でも固く信じられているように、田畑を耕したりして人を助ける動物であり神聖化されているところがあります。その聖なる牛を食すには牛が苦しまないような形で食肉化 (slaughter)しなければ食べられないということです。その証拠としてhalalというマークの付いている食肉でなければ、またレストランであればハラルの肉を使っていると証明がなければいけないとのことです。

サマーさんとピーターさんは30代半ば、オマールさんで40代半ばといったところですが、ピーターさんを除くお二人はこの掟を堅く守っておられるようです。

ただアフリカでも国が異なるからなのか、個人差なのか、ピーターさんはハラルには気にせず、ステーキが好きだと言ってメニューにあれば良く注文するそうです。

その他の行動規定についてはシャリーア法 (Sharia)で細かく規定されているようで、原則としてお酒やタバコも禁止とのことです。最も厳格に守っているのがサマーさんでお酒もタバコも吸わないとのこと。その中間がオマールさんでタバコは吸う、お酒はほどほどに、ポールさんはタバコは個人的な趣味で吸わないだけであとは何ら規制されないと言っておられました。

全世界人口の何分の一かを占めるイスラム教ですが、このように個人ベースでお話を聞くとよく分かって面白いです。

その他、シャリーア法では一夫多妻制度を禁じていないそうですが、実際に実践してしている人は少ないそうで、二番目の奥さんをもらうには一番目の奥さんの許可がいるそうです(許可する奥さんは少ないと思いますが)。

先日話題になった、女性が初めて車の運転を許されたサウジアラビアはイスラムの中では例外的存在のようで他の国では女性も普通に車の運転が許されているようです。

ハラルシャリーア法についてはイギリスの新聞でも触れられることがあるようです。

お二人には申し訳ないのですがステーキはとても美味しかったです。

(2018.8.15)

★今回の教訓:イスラムというと分かりにくいというイメージがあるが話をしてみるとなるほどと分かってくるところもある。日本は敗戦記念日。

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オックスフォード通信(140)車を譲って頂きました

日本に帰国されるK先生ご一家からNISSANを譲って頂きました

当初は車を持つ予定はなく必要があればレンタカーを借りる予定にしていました。実際、オックスフォードで5日間、スコットランドでも5日間レンタルしたのですが、オックスフォードではミッション車ばかりでオートマのレンタカーが少なく(通信42参照)苦労しました。また保険代等含めると結構金額がかさむことも気になっていました。

今回、K先生からご提示されたのはレンタカーにすると2回分くらいに格安の値段であったことが決め手になりました。とはいえ、保険代( £320、日本のあいおいニッセイ保険のイギリス支店で契約)、自動車ロードサービス(AA、月あたり £10)など費用がかかりますが、それを含めてもかなりお得感があります。

K先生は几帳面かつ親切な方で、2000年製のNISSAN ALMERA の上手な乗り方をご教授頂くだけでなく、引き渡しの際には密かにガソリンも満タンにしていただいていました。このような親切な方にお会いできるのが海外生活での幸せのひとときだと思います。Pay it forward の精神で次、来年3月に誰かにお譲りする際にはK先生に親切にして頂いたご恩返しをしたいと思っています。

さて、午後少し時間があったので、オックスフォードから10マイルくらいのところにある Witney(ウイットニー)という街までドライブしてきました。エアコンは付いていないのですが、18年落ちとは思えない堅実な走りです。

オートマということもありますので、以前苦労した(通信42参照)ラウンドアバウトもそれに集中できるので間違えることもなく行って帰ってくることができました。とはいえ、車の運転には十二分に気をつけたいと思います。

(2018.8.14)

★今回の教訓:車があるとオックスフォードの街から少し郊外に足をのばすことができる。
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オックスフォード通信(139)銀行のIT化

銀行は海外生活の根幹を成す機能です

4月にやっとの思いで銀行を開設してから、日本からの生活資金の送付やこちらでのクレジットカードの支払いによく利用しています。

クレジットカードはイギリスのクレジットカードでないと受けてつけてくれない会社やサイトがありますので(現時点ではamazon UK、easy Jet)、銀行口座を開設したら一緒にクレジットカードも作るほうがいいと思います。

またこちらの銀行口座からお金の払い込みをする場合もあります。日本の銀行からするとなると、送金について一律4000円(Sルガ銀行の場合)かかるので実用的ではありません。

ただ、イギリスの銀行はIT化がおそらく世界で一番進んでいると思えるくらいありとあらゆることを自分のコンピュータやスマートフォンでしなければなりません。これは私の設定ミスだと思うのですが、クレジットカード料金も銀行から自動引き落としではなく自分でWebにアクセスしていちいち引き落とし手続きをしなくてはなりません。

特に、一番最初に払い込みをする相手先には銀行口座の入力だけでなく、スマートフォンを使ってワンタイムパスワードを発生させなければいけません。この辺りは日本でも似たような状況になっていますが、イギリスのH銀行に限って言うとそこに相手先の銀行口座の一部を含めるなど複雑です。

それだけセキュリティが強化されているということですが、このIT化にイギリス人がついて行っているのがすごいと思います(お年寄りもスマホを使っている人が多いです。もちろん銀行のことをスマホでしているとは限りませんが)。

日本の近未来を見ているような気がします。

(2018.8.13)

★今回の教訓:住まいの近くのロイド銀行サマータウン支店はしばらく前までは有人だったそうだが現在ではATMが並んでいるだけ(と言っても銀行のWifiは飛んでいるので近くのコスタの窓側に座るとその電波の恩恵に預かれる)。銀行もJRのように無人支店が増えるのだろうか。
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オックスフォード通信(132)47℃

暑いです

以前、イギリスの暑さは大したことがないと豪語していましたが(通信113)、暑くなってきました。特にヨーロッパ、スペインが連日47℃近くに達しているようでTVの天気予報では濃いオレンジから赤色に近づいています。こちらでも異常気象だと新聞でも報じています。それでもスペインでは48℃が過去最高気温というのでビックリします。そう考えると日本の41℃くらいはまだまだという感じがしませんか?(しませんね)

干ばつも広がっているようで山火事がスペインでも頻発しているようです(先日はギリシアで街を襲ったひどい火事がありました)。オックスフォードも連日30℃を越える暑さです。特に日中は暑さが応えるようになってきました。

それに合わせ虫の数も徐々に増えてきたようで、蚊は依然としていないのですが、小さな蜂を見かけるようになってきました。ただ、刺すような感じはありません。

というとあまり外に出たくなくなるのですが、オックスフォードで面白いのは確かに日の当たっている場所は暑くて堪らないのですが、通りでも日陰を選んで歩くと汗を書くほどではないのが不思議です。フラットの前の週末のマーケットもかなりの人が出ていました。ただ、イギリス人も暑いようで、スーパー併設の喫茶コーナー(M&S)などはギッシリ人で一杯でした。

じゃあ、雨とどちらがいいかというと断然こちらの暑いほうがいいですね。芝生はとうに枯れ果てていますが、それでも木々の緑が青空に映えて美しいです。

夜になると(最近では9時頃には暗くなってきました)ぐんと気温が下がるので助かります。

来週は日本からお客さんが次々とおいでになるので、共同研究のデータ分析などを早く済ませてしまいたいと思っています。日本は、もうすぐ、広島・長崎の原爆の日、そしてお盆ですね。

インターネットゼミの4回生も教員採用試験やアルバイト、お祭り、花火、BBQ、旅行とそれぞれに夏を謳歌しているようです。卒論も3章と2章の前半はほぼ全員、フィードバックを完了しました。

(2018.8.6)

★今回の教訓:暑い夏を体験しながら、時間を大切にしなくては、と思う。
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