オックスフォード通信(365/00)さらばオックスフォード!

ひとは何を目指して生きるのでしょう

オックスフォードではいろいろなことについて考える機会がありました。もちろん、よく生きること、社会に貢献できるような生き方をすることは重要だと思います。でもそれ以上にその人が生きがいを感じたり、楽しいと感じたりすることが生きている中にあることが重要だと思います。

と、ここまで書いてこれもまた少し違うようにも思います。オックスフォードの中心街のコーンマーケットでほぼ一日中、ギターの弾き語りをしている方がいます。大抵ボブディランの風に吹かれて(Blowin’ in the wind)を歌っています。なかなかいい声で歌詞が心に響きます。

この歌声を聞いていると何かを目指して生きて行くことが間違っているのかもしれないと思えてきます。目標とか考えすぎると大切なものをその過程で見逃してしまうのかもしれません。

イギリスでは自分の意図と関係なく多様な生き方を目にしてきたように思います。そのような中で、強く感じるのは日本人は本当は幸せであるはずだということです。変な言い方ですが、現在の経済・社会状況を世界的にみると日本はかなり好条件の恵まれている環境にあると思います。なのに、なぜか、幸福感が漂ってこない。

それは目標を立てすぎたり、人と比較をし過ぎたりしていることもあると思いますが、何よりも、間違ったこと、それが多少であってもそこに目が行きすぎて、多少の反対のよくできていることに目が向いていない事だと思います。ひと言でいうと、日本のいいところ、同僚のいいところ、友だちのいいところ、学生のいいところ、子どものいいところ、親のいいところを見ようとしてないところに問題があるのではないかと思うようになりました。

特にテレビの影響は甚大です。ゴシップ的な内容はイギリスではほぼ取り扱われることがありません。それを得意とする新聞をのぞけば新聞でもテレビでもゴシップネタは目にすることはありません。ゴシップとは極論すればスタンダードからの逸脱だと思います。日本はその逸脱の幅が極端に狭いようにも思います。それが窮屈に思ってしまう原因なのかもしれません。

よくグローバル社会とかグローバル化と言われますが、世界と比較して日本の優れたところをもっと互いに認め合い、そこに自信をもつことこそがそのひとつの方法ではないかと思います。

いよいよ本日、オックスフォードを離れます。Before Oxford (BO) とは異なる視点をもってAfter Oxford (AO) の日々を過ごしてみたいと思っています。

このブログもオックスフォード通信 1号からこの365号まで何とか続けることができました。これも皆様の温かいご声援のおかげと感謝しております。このブログを書きながら自分で発見することも多くありました。特に、ブログを書くことよって、1日1日を大切に過ごすことができたように思います。これをひと区切りとして更なる発展の道を探ってみたいと思います。引き続きご支援賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

★今回の教訓:あらためてイギリスは奥深い国だと思う。と同時に英語も面白い研究分野であると改めて実感。

(2019.3.27)

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オックスフォード通信(278/87)ルイス・キャロル

オックスフォードを友人等が訪れてくれると必ず立ち寄るのが、オックスフォード大学最大の(又は最も有名な)クライストチャーチカレッジ(Christ Church College)です

ここは観光客の間でも抜群の知名度と人気を誇っています。それはもちろん、その南側をテムズ川の上流が流れていたり、メドウ(meadow)と言われる膨大な牧草地があったり、冬の枯れ木のシーズンにはメドウから、現在の皇太子が昔、留学しておられたマートンカレッジを遠望できるなど風景がいいこともありますが、それ以上に、ハリーポッターのロケ地になったことがその知名度を抜群に押し上げることにつながりました。

実際のロケにつかわれたのはダイニングルームにつながる階段ですが、そのダイニングルーム自身もホグワーツ魔法魔術学校の大食堂のモデルになったことで有名です。

たまたま29日と30日、2日連続でこの食堂を訪れたのですが、1つ発見がありました。この食堂の正面にはハイテーブルと言われる教授陣が陣取るテーブルがあります。その上には、エリザベス1世の肖像画とともにそれよりも大きなヘンリー8世の肖像画が掛けられています。また、食堂の壁には歴代の学長や有名教授の肖像画も掛けられています。

本日、出口付近のクリスマスツリー(イギリスに限らず海外では12/25以後もクリスマスツリーは飾り続けられている)の近くの肖像画について、おそらくオックスフォード大の教授が新入生らしき2名の学生にその肖像画について長めの説明をしているのを、本当はツリーの写真を撮ろうとしていただけだったのですが、つい聞き入ってしまいました。

Charles Lutwidge Dodgson と名前のついた肖像画は前々からどこかで見たことのあるような馴染みのある絵でした。その先生曰く、この Dodgson という名前が発音しにくいところから、不思議の国のアリスを執筆した際に、ルイス・キャロルというペンネームを使ったとのこと。あああ、そうなのですね。ルイス・キャロルの肖像画だったのですね。

確かに、ルイス・キャロルはクライストチャーチを卒業し、その後母校の数学の教師になったと聞いていました。そう思ってみてみると、クライストチャーチのダイニングルームの一番正面にエリザベスとヘンリー8世、そして出口で必ず訪問者が目にする位置にルイス・キャロルの肖像画を置くということからもいかにクライストチャーチカレッジがルイス・キャロルを誇りに思っているのか、よくわかるような気がしました。

オックスフォードでは、ルイス・キャロルとトールキン(指輪物語、ホビット)この2人が、ハリーポッターと並んで人気があります(ピーターラビットはそれほどでもありません)。

英文学をきちんと勉強していたらもっと早く気づいたのにと反省しきりでした。

(2018.12.30)

★今回の教訓(豆知識):ロンドンでオイスターカードを購入するなら、旅行者なら1週間程度のTravel Cardを買うことが多いかもしれないが、カード代を含めると £30くらいもする。実際にそんなに使うことはない。ならば、カード代の £5を含めて £15くらいチャージして購入し、不足すると足してゆく方が経済的。この方式ならカードは次回訪問する際にも使えるし、友人に渡すことも可能。

オックスフォード通信(242)Wedding 4

11期生のYさんが結婚されました。おめでとうございます!

単なる偶然だと思うのですが、この11期生の結婚式は今年で4回目。お年頃ということもあるのでしょうが、4回目というのは面白いものだと思います。3回目ということでもう結婚式については書き尽くしたので(通信152、147参照)もう付け加えることはあまりないのですが、率直に結婚式のお話を聞くとうれしくなります。

それはひとつに結婚には未来が感じられるからということ、そしてその結婚式に多くのゼミメンバーが集結し素晴らしい笑顔を見せていることに感動するからだと思います。今回のYさんの結婚式の写真をLINEで見せて頂きながら、卒業後もいい人間関係を発展させてくれているなあと思います。
毎年ゼミはあり卒論完成をゴールにゼミを進めていきますが、それぞれの期でもちろんメンバーも特徴も異なり思い出もそれぞれ格段のものがあります。

新婦のYさん、集まった11期生の笑顔をみながら7年前のゼミの風景が頭をよぎっていました。

PS. Wedding 3はMさんでした。ご結婚おめでとうございます!

(2018.11.24)

★今回の教訓:Yさん、結婚おめでとうございます!またお二人で研究室にあそびにおいてください。どうぞ末永くお幸せに。

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