オックスフォード通信(338/27)オックスフォード交響楽団

コンサートに参加してきました

曲目はドボルザークバイオリン協奏曲、ラフマニノフ交響曲第2番です。シェルドニアン・シアターは卒業式などの儀式に使われるオックスフォード大学のいわば最も重要な施設・建物のひとつです。木造作りですが3階まで客席がありかなりの人数を収容することができます。普段も見学などは出来るのですが(要、入場料)、客席には入ることができません。

オックスフォードに来て思うのですが、客(or 学生)の出足はいつも遅く、”last^minute person” という言葉がありますが、「ギリギリ」にやってくる人がとても多いです。夜8時スタートだったので、7時半に到着すると入り口には2人いただけ。有り難いことに(自由席だったので)中央でオーケストラ席からほど近いいい席に着座することができました。その時点で客席は10%程度埋まっているだけ。あまり人気がないのかと思いきや、開始5分前になると3階まで一杯に。しかも8時の開演の時間になってもまだぞくぞくと人が集まってきています。

学生オケはいいと思います。最初のドボルザークは少し固く、ぎこちない感じもしたのですが、後半のラフマニノフになるとフルオーケストラ全員がひとつになってノリノリで演奏しているのがよく分かりました。それに対応して客席も熱気を帯びてきます。

「のだめカンタービレ」というドラマ・映画がありましたが、それをオックスフォードで見ているような感じすらしました。指揮者が情熱的にタクトを振る、バイオリンがチェロが一心不乱に弦を奏でる。特に第3楽章の馴染みのあるメロディーになると曲想の素晴らしさも相まってコンサートは最高潮に達したように思いました。

あらためて、何かに没頭する、集中することは大事だと思いました。そのためには楽しんで何かに取り組むことが重要だと思います。楽しめ!とよく言われますが、なかなかそれは難しいことかもしれません。20%くらいの余裕をもって全部をやり切ろうとしない心がけが重要なのかもしれません。また、これは2度めの経験だと自分に言い聞かせてその時間をゆったりと過ごすようにすることも重要かもしれません。

楽しいひとときをすごさせて頂きました。

★今回の教訓:いろいろな角度から「楽しむこと」「集中すること」「情熱を傾けること」について経験することは大事だ。

(2019.2.28)

f:id:wakazemi:20190227204320j:plain

オックスフォード通信(337/28)豊かな大学生活

ラドクリフカメラの前にあるBrasenose Collegeの中庭を散策しました

Witch’s shot も少し和らいできたので(くしゃみはダメです、先ほど気をつけてしたのですがかなり元に戻った感じがします)、日頃お世話になっている ラドクリフカメラの前にあるBrasenose College の校門をくぐってみました。

オックスフォード大学はオックスフォード大学というカレッジはなく(ダブリンのトリニティーカレッジは違う)38あるカレッジの集合体をオックスフォード大学と称しています。私は教育学部の所属でカレッジには所属していないのですが、オックスフォード大学のIDでどのカレッジにも足を踏み入れることができます。

今週は2月としては史上最高の気温と天気予報が報じるくらいの温かい日差しが緑の芝生に注ぎ込んでいます。Brasenose College の中は外の喧噪とは別世界で中庭で学生が本を読んだりラップトップをいじったりしています。また談笑している学生も見うけられます。もちろん真ん中には正方形(長方形)の芝生が。

このような豊かな環境は健全な考えも育むだろうなあ、としみじみ思います。壁には大きな日時計も。時間がゆっくりと豊かに流れているように思います。ここからみるラドクリフカメラはまた一段と学問の偉大さを誇示しているようにも見えます。

★今回の教訓:伝統とは時間を緩やかに流すことかもしれない。世の流行とか一時的な喧噪に時間と気を取られることなく、人生や学問の本質に目を向けるようにすることこそ伝統の良さだろう。オックスフォードは学生にその伝統に向き合うようにうまく住環境と学問環境を整えている。その意味では京都にある大学にはいい条件がそろっていると思う。

(2019.2.27)

f:id:wakazemi:20190226141421j:plain

オックスフォード通信(336/29)Witch’s shot

オックスフォードで二番目に恐れていたことがぎっくり腰です

2年前に朝起きようとして腰全面(両側)がぎっくり腰になっていてどうにこうにも起き上がれず、這うようにして車に乗って(カーブに来ると腰が痛んだのを覚えていてます)大学に行ったのを覚えています。その後亀岡市内のK整形外科に行ったところ、レントゲン台に上がれと冷たく言い放たれ、レントゲン台に上がれるようならここに来ないとおもったの(うらみ)をハッキリ覚えて老います。

なのでオックスフォードでは絶対にそうならないように朝起きるときにも腰のウオームアップをしてから起き上がっていたのですスが、少し油断していたのでしょうか、昨日の朝、シャワーを浴びようと少しかがんだところ、左側の腰に激痛が走りました。

マズイ!

後の祭りです。もともと、ドイツ語で Hexenschuss といわれたのをそのまま英訳したのがwitch’s shot(魔女の一撃)です。一般的にはlumbago、lower back pain と言われているようです。昨日は何とか車の運転もできて、昼の間は元気だったのですが、夜フラットに帰ってくる頃に再び激痛が。日本のF先生に念のためにといって頂いた、シップと痛み止めの頓服剤を飲んで就寝。また、ぎっくり腰をしたことのあるひとはご存じですが、ベッドに上がるのが一苦労。腰に負担がかかると激痛が走ります。でも幸いにも熟睡できた朝になると元気になっているかと思ったのですが、そんなことはなくて、むしろ症状が悪化しています。というよりも、寝ている時の状態から違う状態に移る時が一番しんどいのですね。10分くらいかけて(本当です)はうようにしてベッドから降りて、たどたどしい足取りで洗面台へ。

本日は所用でロンドンへ行くはずだったのですが、諦めてキャンセルすることに。早く直せるようにしたいと思います。

本当に魔女の一撃でした。

★今回の教訓:病気やケガが海外生活の一番の不安。なったものはしかたないけれど。何とかしたい。

(2019.2.26)

f:id:wakazemi:20190225153332j:plain

オックスフォード通信(335/30)オックスフォードが世界一である理由(12)

何度目かになりますがクライストチャーチカレッジを訪問しました

来訪者がある度にこのクライストチャーチカレッジをご案内してきましたが(恐らくこれが最後かも)、その中で必ず行くのがダイニングルームです。映画ハリーポッターの食堂のモデルになったところで、一歩足を踏み入れるとハリーポッターの世界に入ったような、時空間を超える感覚に陥ります。

クライストチャーチカレッジのダイニングでは食事をしたことがないのですが、Keble College, Waddahm College, Linacre College, Kellog Collegeでは朝食や昼食、夕食を頂く経験が何度かありました。昼食は外で食べることがあっても、朝夕をこのカレッジで食べる特に学部生は恵まれていると思います。カレッジの中に住んでいることが(少し離れたところにドーミトリーを持っているカレッジも多くあります)学業に直結していると思います。

日本語でも寝食を共にするということばがありますが、特にご飯を一緒に食べる意味は大きいと思います。ただ食べるだけでなく、食べながらいろいろな話をします。それが日常的にあるわけです。

日本の大学でもコンパをすると(最近では飲み会ということもありますがあまりこのこの言葉は好きではありません)一気に学生同士の中が良くなるのを感じます。教員でもそうです。これはお酒が入っていなくても、ご飯を食べるというところから変な緊張感が薄れるからだと思います。また食べることについてはそれぞれが面白い経験やクセを持っているので話すとっかかりが何かあるのが特徴だと思います。

私の所属する大学の学科でも3年前から新入生オリエンテーションを宿泊型に変えて、一泊二日で京都市内の宿に泊まって研修を行ってきました。それが学業にどう直結したのかというと数字ではまだ表しにくいところがあるのですが、学生同士が自然といろいろな話をする機会を多く持っているのを目撃してきました。それ以上に笑顔をよく目にします。

食べながらコミュニケーションする、これは洋の東西を問わず、真理だと思います。オックスフォードも正直なところ面倒くさいことをやっていると思いますが、かたくなにこの伝統を守っているところに世界一の秘訣があるのだと思います。

学びはとってつけたような議論の上に成り立つのではなくて、ご飯を一緒に食べたり、飲んだりしながら、それぞれの生活体験の上に少しずつ根付いてくるものではないかと思います。映画マトリックスのような知識の注入はあり得ないのでしょう。

面倒くさいことが実は大事なのだと、クライストチャーチカレッジを散策しながら感じていました。

★今回の教訓:効率主義を100%否定するわけではないが、回り道のようなことが実は大事なのだと思う。日本で近年流行のアクティブラーニングも実際、学生を巻き込んだ議論という面倒な作業が中心だ。でも議論を巻き起こすための方法を教室内だけで探しても難しいかもしれない。オックスフォードのように寝食を共にすることには実は大事な意味が含まれている。

(2019.2.25)

f:id:wakazemi:20190224154208j:plain

オックスフォード通信(334/31)ゼロのゼロはゼロ

グリニッジ天文台(Greenwich observatory)に行ってきました

世界標準時の基準となっている場所として小学校の頃に習ってから一度その場所を訪れてみたいと思っていた願いが叶いました。天気もイギリスに来てから最高と行っていいくらいの快晴かつ小春日和で、テムズクリッパー(mbna thamnes clippers)というボートに乗っていても(ロンドンアイからグリニッジまで約50分のテムズ河の船旅です。といっても途中から猛烈なスピードで飛ばすのでモーターボートに乗っているような感じです)に乗っているときも、グリニッジの船着き場から天文台までの散歩道もとても気持ちのいいものでした。

頂上まで約10分くらい。天文台は小高丘の上にあります。この丘からはロンドン市内を一望することができます。願わくはタワーブリッジなどがみえるといいのですが、ロンドン東部のビル群やコンサート会場のO2など。でも絶景には間違いありません。

そして、東経西経を分ける世界標準時の線。もっと長いものかと思っていたのですが、案外短いもの。列を(queue)を作るなと注意書きに書いてあるのですがどうしても一番前で写真を取りたいもの。後を見るとかなりのキューができています。線上に乗るか、東西に足をまたぐか、いずれにしてもこの小さな天文台が世界の基準時を作っているのだと思うと感慨深いものがあります。ここでもイギリスは自分達の基準を世界の基準としているのです。

日本標準時の明石天文台との違いは標準時の時計がないこと。係員に聞いてみたのですが、あるとしたら入り口にある24時間時計くらいのものらしいです。そこには、1 yard, I feet, 1 inchの基準の長さが鉄で提示してありました。これはイギリスの基準の長さというものなのでしょう。

どこからどこまでが西で東かという基準も時間をどこをゼロとするかも、はじめに作ったからそうなったわけで、別の基準があっても言い訳です。自分自身も含めてその基準となった場所を見に行こうとするわけですから不思議なものです。グリニッジでなくてもロシアでもインドでも中国でも良かったわけでそこには合理的な理由は全くありません。逆に、任意にある場所を決めたということはすごいことだと思います。またそれを信用させる仕組みも。

大正解と大不正解はコインの裏表なのだな、ということが、いい天気に照らされながら、頭の中を巡っていました。

★今回の教訓: 基準になった場所を見に行くのは大事なことだ。そこには何もないことが分かるから。

(2019.2.24)

f:id:wakazemi:20190223134523j:plain

オックスフォード通信(333/32)イギリス文化の深遠さ

Optum(アヘン)という聞き慣れない言葉が一杯のセミナーに参加してきました

講師の中国系の研究者の余裕をにじませながら分かりやすく説明する話し方にも感銘を受けたのですが、あらためてアヘン戦争が中国にもたらした惨禍と日本がなぜアヘンに汚染させることなく明治維新を迎えることができたのか、よく分かるような気がしました。

日本国外で日本に関する講演を聴くと視野が広くなるような気がするのが不思議なところです。講演会終了後、ある方とパブでお話をする機会がありました。話はイギリスという国の不思議さに向いていきました。アヘン戦争(インド=イギリス=中国)や奴隷取引(アフリカ=イギリス=アメリカ)に見られるような三角貿易 (Triangular Trade)に象徴されるように、巧妙さに長けるイギリスがなぜこのBrexitでハタから見るとへまのような失態を演じているのかと。

ひとつの考え方によると、イギリスにはアメリカや日本のような成典化された憲法がないため、国会での議論の積み上げが実績となって後世に残ってゆくので、レファレンダム(住民投票)の結果を簡単に反故にするような安易な議論ができないのでは、というものです。一方で、007を生んだMI6がある国で国難とも言えるような状況を回避できなかったのは不思議なところです。

歴史はテーゼ→アンチテーゼ→アウフヘーベンと弁証法的に進化するという考え方がありますが、その方の考えではアウフヘーベンがないこともあると。単に振り子が一方に強く振れると次には反対側に強く触れてしまう。Brexitはイギリス文化を考えるのに絶好の教材となるのかもしれません。

イギリスはイギリスであってコンチネンタルとは異なると。ある方の見立ては正しいのかもしれません。恐らく、No Dealという形でなし崩し的にEUを離脱する大英帝国は、次にスコットランドの独立運動や北アイルランドの離脱など多くの局面を迎えていくのでしょうが、縮小再生産を通してこの国がどのような姿になっていくのか、何を目指すのか、悲観的ではない見方で今後も注視してみたいと思います。

いろいろなゲームのルールを作り、その親の役割で巨万の富を蓄えてきたのがイギリス。次は英語なのかもしれません。英語においてもいつかその親の役割を終え、国際語としての英語にバトンタッチする時が近い将来やってくるのでしょう。その時、古語のような言語に陥るかもしれないイギリス英語であってもイングランド人はきっと何かの誇りをもってそれでもいいというのかもしれません。

★今回の教訓: イギリスを研究すると国の在り方、国の盛衰、国としてのアイデンティティーが解明できるのかもしれない。

(2019.2.23)

f:id:wakazemi:20190222164124j:plain

オックスフォード通信(332/33)老いも若きもバイクに乗る

あらためてイギリスはオックスフォードは特に自転車文化だと思います

イギリス全般をみても山がほとんどないせいか、トンネルにも滅多なことでは出くわすこともなく、当然アップダウンがそれほど多くありません。

日本では自転車というと子どもや若者が乗るもの、最も最近では電動自転車の普及のお陰でその年齢層は幅広くなっていますが、イギリスほどではないと思います。最近は徐々に日照時間も長くなり、午後5時半くらいが日没ですが、それでも6時を回ると暗いので、みなさん準備万端、前(基本的に白)と後(基本的に赤)にライトを装着して、人によってはカバンやヘルメットにライトを付けて走っています(盗難にあうのでこのライトは着脱式です・電池だけでなく充電式のものもあります)。

少し口惜しいのは自転車で走っていると大抵イギリス人のバイクに抜かされることです。彼らの長年培った年季にはなかなか太刀打ちできません。大学生ならスイスイと、同年代なら徐々に詰められて抜かされる感じです。それほど道路が真っ直ぐで、よく走る Banbury RoadやWoodstock Road はかなり先まで見通すことができます。

ただ、経費もかからず(パンクの経験は今のところゼロ、チェーンがはずれたことが2度あるだけ)、健康にもいいような気がします。京都でも乗っていましたが、オックスフォードの方がはるかにバイク・フレンドリーな街だと思います。

私よりもかなりお年を召したご婦人や紳士が万全の態勢で自転車に乗っておられるのをみるとまだまだ老年の域に入るわけにはいかないと対抗心がメラメラと沸いてきます。そのような生きる活力という面でも自転車は人を健康的にしてくれるといえそうです。

日本への帰国が迫ってきましたが、こちらでいる間に特にライトをいくつか買って帰ろうと思います。

★今回の教訓:一種の競技をしているような錯覚に陥るのが自転車のいいところ。古くて新しい乗り物だと思う。

(2019.2.22)

f:id:wakazemi:20190221124336j:plain

オックスフォード通信(331/34)食わず嫌い

ロンドン・コベントガーデンにあるアップルストアでのできごと

ロンドンにはいくつかアップルストアがあるのですが(例えばリージェントストリートのものが一番大きいと思います)、このコベントガーデンにあるアップルストアはイギリスに来て一番最初に訪れた「アップル」ストアです。しばらく改修工事になっていましたが、久々にコベントガーデンに来たので立ち寄ってみました。

このコベントガーデンは地下鉄の駅が地中かなり深いところにあって、プラットホームと地上は通常のエスカレーターではなくて5機から6機あるリフト(エレベーター)で結ばれています。よほどのことがない限り階段は使うなと書いてあります。感覚ですが、おそらく地下6階分くらいはあるのではないでしょうか。といっても、リフトは一方通行で出入りで乗客が交差することはありません。

このコベントガーデンがすごいのは大道芸人がいつも集まっていて、来る度におおお、と思うようなパフォーマンスに出会うことができます(今回はよくあるジッとしていて時々動くというものがすごかった。どうやっているのか、地上から浮いているように見えました)。

さて、アップルストア。マニアに入るのでしょうね、そのサガからか、訪れる街々でアップルストアはないかと探してしまいます(残念ながらブリュッセルでは少し離れていたため、ダブリンにはなかったため行けなかった)。改装後のストアに入ってみると、パリのアップルストアとよく似たつくりになっていることに気づきます。というよりも世界中のアップルストアを同一の規格で設計しているのでしょう。今どこのアップルストアにいるの?という錯覚に陥ります(日本に帰国したら、京都にできたというアップルストアを訪問するのが楽しみです)。

一通りまわって、見たものの置いてある製品は同じものなので、Gから2Fまで割りと速くまわってしまい、珍しく時間が余ってしまいました。中央ホールでは毎回いろいろなワークショップを行っているようですが、今回は Garage Band でした。通常、この手の音楽についてのワークショップやソフトは無関係と思っているので避けるのですが、何しろ丁度30分くらい時間があったので、座って、一緒にワークショップに参加してみることにしました。

新型のiPadとBeatsの格好いいヘッドホンをお借りして、軽佻な会話のインストーラと一緒にリズムを作ることに。Beats ははじめからiPadやマックにインストールされているので名前はよく知っていたのですが、使うのははじめて。

敷居が高いとおもっていたのです。今回のワークショップの参加者の80%は子ども達。しかも、6才~10才くらいの小学生です。彼ら彼女達と一緒に講師の言うとおりに、バンドのボタンを押してゆきます。基本的には4択なので難しくはないのですが、他の楽器との組み合わせによって複雑なリズムをあっという間に作ることが出来ました。ビックリ。やればできるものですね。これは大学の授業でも使えそうです。どうやら食わず嫌いだったようです。

それ以上にビックリしたのは、完成披露会。録音をして作成したリズムを全体に紹介するのですが、誰も手を上げなかったら自作をお聴かせしようと意欲満々で待っていたのですが(かなり自信があった)、子ども達の積極的なこと。ほぼ全員の子どもが、シェアしたいと、手を上げたと思います。これはおそらく日本ではないだろうなと思いました。彼らの作ったリズムはさすが21世紀少年少女、乗りのいい綺麗なものでした。これは発表を譲っておいてよかったな、と思いました。

★今回の教訓:やってみると楽しいことは一杯ある。そしてやってみると出来るものだ。大学教育にどう生かせるか?

(2019.2.21)

f:id:wakazemi:20190220181328j:plain

オックスフォード通信(330/35)ウイーンフィル

ロンドン・バービカンホールにウイーンフィルの演奏会を聴きに行ってきました

昨夏にオーストリア・ウイーンを訪問した際、ウイーン楽友協会・黄金の間でモーツアルトの演奏を聞くことが出来たのですが(見る?)、演奏は残念ながらウイーンフィルではなかったのでいつか、憧れのウイーンフィルハーモニーの演奏会に行きたいと思っていました。

丁度本日、ロンドンでコンサートがあるということで、少し早い目に出て、映画「ノッティングヒル」の近くを散策したあと、バービカンホールに向かいました。

チケットは早々に完売とのことです。本日は、マーラー最後の交響曲第9番一曲のみ、休憩なしのノンストップです。指揮はハンガリーの重鎮、Adam Ficher、2Fからの観覧となりました。

開場まで時間が少しあるので、バーでスパークリングワイン( £8,シャンパンのことです)を頂いてから、会場へ(荷物検査は係員が荷物の中を懐中電灯で照らすくらいと、割と簡略化されていました)

マーラーは5番くらいしか聴いたことがないので9番ははじめてがコンサートということになります。正直なところ、第1,2楽章はバイオリンがいま一歩調和していないような感じがあったのですが、徐々に歩調が合ってきたのか、会場の熱気とオーケストラがよき相乗作用をしてきたのか、大編成のオーケストラが一体となってきます。そして第3楽章でのストリングスの大合奏。オーケストラ全体が浮き上がってきたような浮揚感を感じます。

マーラーが死の2年前に書き上げてたことが示唆するように(50代でなくなっています)、第4楽章はマーラーの「死とは、生とは、人は何のために生まれてきたのか」といった問いに対する回答が詰められているように、聴きながら思いました。丁度ゴーギャンが「人はどこから来てどこにいくのか」という絵画を描いたのとよく似ているのかもしれません(ボストン美術館蔵)。そして最終章・最終局面、大きく盛り上がった後、指揮者のフィッシャーが静かに、静かに各楽器を押さえるように、静寂の時が。その時が、1分近くも続いたように思います。観客席も安易にブラボーとも言わず、フィッシャーが終わったよ、という合図を何となくしたような後に大きな拍手が。

マーラーには死の2年前に大きな発見があったのと思います。それをこの9番に詰めた。そんな感じがしました。フィッシャーに会うのはこれが最初で最後の機会だろうと思います。それだけに彼の熱演に思わずひきづり込まれる思いでした。

★今回の教訓:生のコンサートはいい。いくつものインスピレーションが湧いてくる。

(2019.2.20)

f:id:wakazemi:20190220192012j:plain

オックスフォード通信(329/36)Trinity College

ダブリンの中心部にあるのがトリニティーカレッジです

本日はここである用事をさせていただきました。Corkというアイルランドの南部のUCC (University College Cork) のC先生、トリニティーカレッジのJ先生と一緒です。朝の8時にホテルでC先生と待ち合わせて、J先生のオフィスへ。お昼ご飯を含めると午後2時半くらいまでですから半日以上、いろいろなお話をさせて頂きながら用事を済まさせて頂きました。

今回のアイルランド訪問の目的がこの用事だったので、いい形で済ませることができて達成感につつまれる幸せを味わうことが出来ました。それ以上にトリニティーカレッジの大学院生のNさんの割れんばかりの笑顔を見ることができて嬉しい気持ちになりました。

J先生いわくトリニティーカレッジはケンブリッジのようなカレッジを沢山作ってUniversityを形成する予定だったのが、ひとつに終わってしまったので、Trinity College, The Univerity of DublinとUniversityも付けたとのこと。

学期中ということもあるのですが、オックスフォードと異なりひとつのキャンパスに全学生が集まっているので学生で賑わっているという感じの活気のある雰囲気でした。またラップトップであちらこちらで思い思いに研究している学生のすがたを目の当たりにしました。そんなに行儀がいいわけではないのですが、これぞアカデミックという感じです。

お昼は大学専任教員(フェロー)専用の食堂でランチ(本日のスープ、ベークド・サーモン、ブリュレ、白ワイン)を頂いたのですが、内部は豪華な作りで本格的レストランという雰囲気です。サーモンはこれまで見た中で最大級の大きさ。面白いのはC先生やJ先生は話をしている時はもちろん食べないのですが、ターンテーキングで話が他に移ると猛烈なスピードで食べるところです。例えば、C先生は私と同じサーモンだったのですが、先ほどまで私の方が沢山食べていたのですが(そうやってカウントできるほど大きいサーモン!)私が話をしている時に一気に食べたのか、気がつくと、抜かされていました。緩急の付け方がうまい。

話をするときと食べるとき、それぞれ集中して事にあたる感じです。

話が戻りますが、活気のある大学はいいとおもいます。日本のように化粧したり綺麗な服を着飾ったりしている女子大学生の数は少ないですが、それぞれが生き生きとしているのでとても魅力的に見えます。男子学生も同じです。ひと言で言うと、大学生活に夢中になって取り組んでいる、また取り組むことがあるということです。服装や化粧を気にすることと大学生活に夢中になることはトレードオフ(Trade-Off)の関係にあるのでしょうか。

夕方は、有名なThe Temple Barでギネスをもう一杯とオイスターを半ダース頂き、帰路に就きました(折角、3日間有効のリープカードを買ったのに、空港行きの700系統のバスが来ない!諦めて757を待っていたら、あと3mi=>2min=>1min=>dueとなってさあ、と思っても来ない。しばらくすると電光掲示板から757の数字が消えた。えええ、と思って暫く待ったものの飛行機に乗り遅れては・・・と思いタクシーに。ところがタクシーに乗っていると、バス専用レーンを後から走ってきた757系統のバスに抜かされていました。アイルランドは大好きですが、交通機関関係はイギリス同様、あまり好きになれません)。

帰りのヒースロー空港では、ようし、パスポートにBRP (Biometric residence permits) を出す気満々で到着したのですが、あろうことか、BRPどころかパスポートコントロールもない始末。準備がなかなか報われません。

★今回の教訓:達成感は生きがいに重要。活気も大学に必要。

(2019.2.19)

f:id:wakazemi:20190219125233j:plain

オックスフォード通信(328/37)モーアの断崖

アイルランドで有名というと断崖

一日ツアーに参加してきました。北アイルランドのGiant’s Causewayにも興味があったのですが、単純に1時間分遠いということ、西のCliffs of Moher(モーアの断崖)を選択しました。Brian(ガイド)とRob(運転手)のコンビはFriednlyで親切。アイルランドは裏切りません。

M7を西へ西へ、Limerickから空港のあるShannonを通り、Doolinの近くからは大西洋が姿を現します。ここまで約4時間。しかし、Brianはアイルランドの歴史を中心にほぼずっと話しまくり飽きさせません。またすごいと思うのが、客席へ歩み寄り一人一人に何か質問はないか、といいながら話かけてくるところです。このタイプのガイドははじめてです。

特注、Barack Obama Plazaというドライブインで休憩(行きも帰りも)。はじめは冗談かとおもったのですが、オバマ大統領の母方のgreat-great-great father(もうひとつgreatがついていたかも)がこの近くのMoneygall村の出身ということで、大統領の任期中に専用のヘリコプターでこの地に降り立ったそうです。その時のヘリコプターの写真や本人の写真が、2Fにはアイルランドにゆかりのあるアメリカ大統領の展示会場があります。本人のほぼ実物大の写真だけでなく、外には銅像も。日本も小浜市が何かすればよかったのに、と思うのですが、名前以外のつながりを見つけるのは難しいところですね。

さて、モーアの断崖。断崖の連続で直角に切り立っています。幸運にも天気に恵まれ青空を背景に太陽がキラキラと綺麗です。Walk Trailが作ってあって安全にみることができるのですが、何十メータ(アイルランドはメトリック法でメートル・キロ表示なので分かりやすい)したの海上からものすごい風が吹き上げてきて、潮くさくないのですが、雨が降っているような場所とものすごい風が海から吹いているところ(ほぼ全域か)があります。大人でも吹き飛ばされるくらいの風速で台風レベルです。

なのでフェンスよりも外にでてはいけないといわれているのですが、命知らずの人達が数多く崖の近くまで。風が反対側から吹いたり、足下が崩れたら一巻の終わりです。GoProを手にした青年が崖の外に一脚を伸ばし、その青年を家族で支えているという場面も目撃しました。Rangerと印字されたジャンパーを着た監視員もいますが、下に落ちてしまったらどうしようもないと思います。

しかし、この絶景はいままでみたことのないような息を呑むようなものでした。なぜでしょうか。明るい大西洋があるからなのか、日本海のような荒波が崖にぶち当たる荒々しさがいいからなのでしょうか。虹もかかり、風に体を揺らされながら約2時間、この風景に見とれました。

自然は偉大だということを実感させられます。新婚旅行にも絶好だと思います。

帰りはThe Fieldというアイルランド映画と乗客からのリクエストでアイルランドがでてくるPS. I love youの映画を観ながらダブリン市内まで戻ってきました。優に午後9時を回っていましたが、いい疲労感につつまれることができましした。

アイルランドは人口600万人の小さな国ですが、緑豊かな、魅力的な場所だと思います。

★今回の教訓:ブライアンの饒舌な語りに感動。しかもアイルランド英語の方が日本人には分かりやすいと思う。グローバルリンガフランカのモデルになるか。

(2019.2.18)

f:id:wakazemi:20190218152310j:plain

オックスフォード通信(327/38)Going to Ireland

 アイルランド・ダブリンに来ています

折角なので(これが大事)ダブリンの観光もしてみようと1日早く到着(といっても、日曜日の朝6時半に家を出発してヒースロー空港ターミナル5に到着したのは8時半(毎時30分おきに出ている直通バスがとても便利です)、飛行機に乗ったのが10時50分(ブリティッシュエアウェイズだったのですが、一番後の席で、しかも通路側と真ん中の座席。席を選択しようとしたr £24と法外な値段だったのでそのままに。変えなくてよかったです。何と一番後の座席の窓側は窓がない!その関係で飛行機が離陸したのも着陸したのも振動とアナウンスだけで知る始末。遊園地で暗闇でジェットコースターに乗っているようなもの。いま一歩、飛行機でアイルランドに来たという感じがしません)、3日間乗り放題のチケットでバスでダブリン市内に入り、ホテルに到着したのが午後2時と、やはりイギリスとアイルランドは近い!と思います。

共同研究をしているオックスフォード大のR先生は、飛行機が上がったと思ったらすぐに下がるとおっしゃっておられましたがその通り(といっても、上記の影響で上昇も下降もあまり分からず仕舞い)。

アイルランドの第一印象は、みんなとても親切で誠実と言えると思います。空港のインフォメーションもホテルのフロントも丁寧に対応してくれます。ホテルもこれまで泊まった中で最も高級という部類に入るかもしれません。晩ご飯を兼ねて行ったアイリッシュダンスのショーも、イギリスだったらとつい思ってしまうのですが、比較すると支出が少なく済む一方満足度は2倍くらいあります。

誠実・堅実と言ったらいいでしょうか。R先生にも詳しくダブリンの情報を教えてもらったのですが、17期生のYさんが以前約1年間ダブリンに住んでおられたので事細かく観光スポットやカフェ、晩ご飯の場所をLINEで送って頂いたのがとても参考になっています。

まずお薦めに従い、ギネスストアハウスへ。あのビールのギネスを作っている工場の直営店です。ダブリンのギネスは他とは違うよ・・・聞く人聞く人そう言われたとおり、最上階の6F(=7階)のバーにまず直行して(すいません、説明を全て省いてまず一番上に行きました)360度の眺望を楽しもうとしながら(実際は人が多すぎて景色は一望とはなりませんでした)、入れて頂いたギネスを飲んだのですが、まずてっぺんの泡のきめ細やかさにビックリ。これは明らかにこれまで飲んできたギネスとは違う。そして味もよりこなれた味わいのように感じました(こちらは正直微妙な感じ・それほど私の舌は敏感でないのかも)。ここでもカメラを持っていたら、頼まなくてもスタッフが写真を撮りましょうかと言って親切にしかも上手に撮ってくれる。もうこれだけでダブリンのファンになりました。

街の中心部をながれているLIffey(リフェイ)川には綺麗な水が流れています。アイルランドの首都といってもオックスフォードくらいの感じでバスにも乗っていますが、歩いてでも回れるくらいの規模の街です。

そして夜のアイリッシュダンスのショーでケルトのアイルランドの虜になった感じです。今晩のアイルランドの音楽は、ギターとバンジョーにボーカルという編成なのですが、MC兼ボーカルが何度も言っていましたが、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど多くの英語圏の文化はアイルランドから人と一緒に移動したもの又はその影響を強く受けている可能性を強く感じました。音楽しかり言葉しかりです。アメリカのケネディ家に見られるようにアイルランドから何百万という単位でアメリカに移住していますし、移住した後もアイルランドの文化をその場で継承しているケースが多く見うけられます。アイルランドが英語圏文化の核であると言うといい言い過ぎかもしれませんが、それくらい大きなインパクトを与えてきたことはそれほど多くの人が認知してこなかったと思います(私もそうです)。特に音楽はそのままアメリカなどに輸出されてそれがブルーグラスなどとして発展したといってもいいかもしれません。

言葉も面白いところです。アイルランドではCrack (Craic)は挨拶に使われるそうです。通常はよく知られた意味として「ひび割れ」という意味が用いられますが、アイルランドでは、”What is the crack?” で “How’s it going?”(元気)という意味になるそうです。印象としてはアイルランド語(又はゲール語)が話せる人はそれほど多くないようですが、アイルランド語やアイルランドの英語が他の国の英語と微妙に食い違っているのも興味深い点です。

アイルランドは世界各国の英語を母語とする国の原点のひとつであることは間違いないと思います。もう少しアイルランドについて考えてみたいと思います。

★今回の教訓:特に世界で話されている英語とアイルランドの関係は興味深い。

(2019.2.17)

f:id:wakazemi:20190217122701j:plain

オックスフォード通信(326/39)iPadの講習会

iPadなんて使い方は知っているはず

と思っていたのですが、ITサービスセンターが手厚く無料で講習会を開くというので1時間のワークショップに参加してきました。

といっても直前だったので、キャンセル待ちという形でしたが、とりあえず朝9時15分からのスタートに間に合うように行ってみました。少し寒い朝でしたので予想どおり5名がまだ来ていないとのこと。来なければウエイティングリストに乗っている私を(本当はキャンセルがあれば連絡が来るようで連絡が来ないウエイティングリストはダメだそうです)入れてくれるとのこと。最初は5分待ってということだったのですが、公式には15分の遅刻までは許されているようで、10分経ったころに、どうぞという話になりました。

ITサービスセンターはスキル習得の殿堂のようなところで、コンピュータを中心にありとあらゆるスキルのワークショップを行っています(以前にも書きましたがここがオックスフォードの世界一たる理由のひとつになっていると思います。だって、博士号を持ったインストラクターが専門に教えている訳ですから。ポスドクではないような気がします)。

さて、あまり期待をせず(すいません)座っているといくつもの目からウロコの部分が。特に、インプットとアウトプットに音声入力・出力がデフォルトの状態でかなり自然にできることにビックリしました。

これまで文字を打つのはiPadではイヤだなと思っていたのですが、キーボード入力ではなくて、音声入力をするのが現在では正解なのかもしれません。もっとも日本語は漢字変換があるので英語ほどスムースではないかもしれませんんが、かなり入力のストレスが軽減されると思います。

またWebの情報を読むよりは読み上げてもらうとより楽になります。この読み上げもコンピュータ色のある声ではありますが、難しい設定をしなくてもスラスラ読んでくれるのにビックリしました。以前なら専用のAppをインストールする必要がありました。

また一番ビックリしたのがカメラです。iPadのカメラは馬鹿にしているところがあったのですが、スキャンするのに丁度いいのかもしれません。講師のインストラクターは友だちが作ってくれたと言って、専用のスキャン台を見せてくれました。その下に本や雑誌を入れるとうまくスキャンができます。その後、Immersive Readerで読み上げるという連携プレーです。ストラテジーでも「連携=組み合わせ(というかその場に適したものを選択する)る」ことが肝要と言われていますが、Appもこの組み合わせはとても効率がいいと思います。

直感的に自分なりに使えるところがiPadをはじめアップル製品のいいところですが、効果的な使い方については誰かに教えてもらわないといつまでも上達しないと悟るところがありました。

★今回の教訓:その他にもホームキーを3回押すと出てくる拡大鏡(設定=>アクセシビリティー)もなかなか。時々、自分の知識とスキルの棚卸しが必要だ。

(2019.2.16)

f:id:wakazemi:20190215091909j:plain

オックスフォード通信(325/40)イギリス映画界

ビジュアルイフェクトを手がけるFramestoreの共同創業者のMike McGeeさんの講演会に行ってきました

これまでの講演会とは少し異なる映画界で成功を収めたクリエーターが講師でした。

マンスフィールドカレッジのレクチャーシリーズです。はじめて中に入りましたが、他のカレッジよりも一層機能的かつ近代的な構造になっていると思いました。開始時間ギリギリに到着したのですが、丁度私の前を講師のMikeさんが歩いておられました。

オックスフォードの講演会はパワーポイントが使われることもありますが、どちらかというと日本に比べるとローテクのイメージがあるのですが、マイクさんはクリエーターらしく(ただ後の質疑でタッチタイピングも出来ないしハイテクは苦手なんだと言っておられましたが)、具体的な映像を元にした分かりやすいプレゼンテーションでした。

そして何よりもVisual Effectの舞台裏を見せて頂いたのがとても参考になりました。例えば、映画「Paddington」の中でお風呂に浸かったパディントンが全身を震わせて水をはじくシーンがありましたが、はじめからVEがあるのではなくて、まずそれはモップに水を浸してそれを代用としてモップを震わせて水が登場人物の家族にびっしょりとかかってしまうシーンを撮っておいて、あとからそのモップをCGのパディントンに置き換えると言う手法を取っているとのことです。

はじめからコンピュータ上で何かを作って合成しているのではなくて、実物を媒介して最終的なビジュアルイフェクトを作っている手法が面白いと思いました。だからこそ主人公にもリアルなリアクションが見られるのだと思います。

また、映画「ゼロ・グラビティ」でも主人公のサンドラブロックをモデルに宇宙船と同じような空間を作っておいてそこで撮影をし、その中のものを後からCGで置き換えるという方法のようです。もちろん、宇宙を題材としているものではCGの割合が多くなり顔だけしか最後は残らない状況もあるようです。

これまでビジュアルイフェクトがとてもリアルだと思っていたその秘密が分かったような気になりました。現実にテクノロジーを組み合わせることによってよりクリエイティブな映像が出来上がることは何か示唆的です。テクノロジーだけでもだめで、現実だけでもダメで、そこで2つを掛けあわせることで化学反応が起きる。

具体的にFramestoreが手がけた映画のリストを見せて頂くと、ハリーポッターシリーズから最近の映画はほとんどそうじゃないかというくらいヒット作が含まれています。イギリスの産業な何?とずっと疑問に思っていたのですが、映画の屋台骨を支える技術を担っていたのですね。

オックスフォード出身の Mike さんの落ち着いた話しぶりにも何かヒントを得たような気になりました。

講演の中で紹介された教育によりリアリティをということで

も(16回も無重力を繰り返して取り直したそうです)興味深かったです。Youtubeでお楽しみ下さい。

★今回の教訓:Best experienceはどこから生まれるのか、Mikeさんが強調されたように、PhysicalとDigitalの組み合わせは相性がいいようだ。このような相性のいい組み合わせを考えてみるといいのかもしれない。

(2019.2.15)

f:id:wakazemi:20190215182954j:plain

オックスフォード通信(324/41)How to lose a country?

本の著者自らが来られるということで超満員の講演会に行ってきました

オックスフォードのヨーロッパ研究所(オックスフォードには本当に数多くの研究所があって、恐らく全世界が研究できる体制になっているのではないかと疑いたくなるくらいです)主宰ということもあり、Discussantant(指定討論者)もフランスなどヨーロッパ各国から選ばれていました(イギリス人は1/3だけ?)。

トルコの現状を前提に書かれた小説( £10の格安で購入させて頂きました)を元にした講演会というよりは座談会だったのですが、話は ポピュリスムからブレグジット、移民、宗教と幅広いトピックについて議論されました。その中でもポピュリスムとブレグジットにどうしても話が集中するのですが「どうして人間はそれほど愚かになれるのか?」「どうして愚かな考えに人気があつまってしまうのか?」という言葉が印象的です。なぜイギリスがEUから脱退しなければならないのか、今から振り返ってみると、移民問題はあったにせよ、確固とした理由を思い出すことが難しい状況です。どうしてEU離脱の国民投票の際にボリスジョンソンのようなポピュリストに賢明であるはずのイギリス国民が扇動されてしまったのか(座談会ではここまでは言及されていません)。それは第2次世界大戦における反省とよく似たところがあるのがビックリです。

質疑応答の中で移民問題についての質問があったのですが、それに対するEceさんの回答がふるっていました。「・・・ホームという概念は以前よりもずっと流動的で幻想的なものになっているのではないか。イスと同じようなイメージになってきているのではないか。空いているイスに座るだけでそのイスは世界のどこにあってもいい。ランド(=土地)と一対一の関係が崩れてきているのでは。移民というとイギリスへの移民ばかりが問題視されるけれど、イギリス国民もまたEU諸国や世界各国に移民している。今一度、Homeという概念を再定義する必要があるのではないだろうか」うーん、確かになあ、としばらく考え込んでしまう提案でした。

と同時に、文学はこういうことのためにあるのだなと思いました。正直なところ、文学は古来から各国でリベラルアーツの根幹に据えられてきているのに、なかなかその文学の現代的な意味や価値を認識させてくれる文学者にそれほど多く出会ってこなかったので(すいません)、小説をもとにこのような議論が展開されるのを目の当たりにすると、文学はやはりすごいと思わざるをえません。虚構の世界を作り上げる意味は現実を議論するためにある、のではないかと思いました。

指定討論者の一人が「Eceさんは怒ると笑うよね」と言っておられたのも印象的でした。怒ると怒るのではなくて笑い飛ばす方がインパクトがあります。

2時間で読めるよ、といわれていましたので、週末、ダブリンへ行く機内で読んでみたいと思います。

★今回の教訓:それにしてもヨーロッパの人々は奥深く、知恵があると思う。今回のオックスフォード滞在でイギリス人やイギリスの文化・風土にも大いに感銘を受けたが、それ以上にヨーロッパという存在に目を開かされる場面が多かったように思う。改めてヨーロッパについてもっと深く知りたいと思う。

(2019.2.14)

f:id:wakazemi:20190214164918j:plain

オックスフォード通信(323/42)自転車のチェーン

急いでいるときに限って、ということがあります。

共同研究をしているH先生とのミーティングの時間に遅れると思って、さあ自転車で7分で到着と意気込んで自転車置き場に急いで行ったところ、何かバイクの雰囲気がおかしいのです。この自転車置き場は鍵も掛かっていて外部から入ってくることは不可能なのでいたずらということはまずないのですが、おいてあった自転車のチェーンが大きくはずれていました。

少しくらいなら直せるのですが、大幅にはずれているので3分くらいで見切りを付けて、近くの(有り難い!)サマータウンサイクルに持ち込みました。油で真っ黒になった手を洗わせて欲しいと、奥のトイレで手を洗って戻ってくると元の状態に。流石プロですね。 £2お支払いしてミーティングの時間に間に合いました(といってもこのような時に限ってH先生の前の予定が伸びて結局時間が余ることに)。巡り合わせとは不思議なものです。

★今回の教訓:H先生は教育学部でも超人気の先生。でも忙しくてもいつも気さくに笑顔で誰にでも対応される誠実な姿勢には頭が下がる。私もまだまだだと思う。見習いたいものだ。

(2019.2.13)

f:id:wakazemi:20190212155918j:plain

オックスフォード通信(322/43)Turnitup

ITサービスセンターが主宰の剽窃(Plagiarism)についてのワークショップに参加してきました。

Plagiarismは日本だけでなく、イギリス、アメリカどこの国でも大きな問題になっています。特に、アカデミックな世界では、学生が(まあ、教員も問題になっていますが)書いたレポートがどれだけオリジナルかというのは、インターネット(情報の共有)やデジタル化(情報のコピー)が発展する中で大きな問題になっています。

オックスフォードでは、Turnitup というソフトを導入してるそうでその使い方と効用についてのワークショップでした。実際に、私も本年度のゼミメンバー(18期生)が書いた卒論で試してみましたが、その威力はすごいと思いました。最初、間違えて日本語の文書を入れてしまったのですが、その場合でも日本語の論文データベースと照合してどれほど引用されているかと%で表示してくれます。

もちろん、剽窃と言っても、きちんとした手法を取っていれば(引用、文献の明示)問題ないのですが、本文中の文章がどれだけ本人によって書かれているかが分かるのが面白い所です。

J先生はワークショップ後も使える設定にしておいてくれた関係で、17名全員の卒論をチェックすることができました。25%未満であれば、全く問題なしということですが、7%~16%の間で全員収まっていました(安堵)。と同時に卒論の単語数も自動的にカウントしてくれるのですが、平均で9650 wordsも書いていることにビックリしました。これは表紙からレファレンス、アペンディックスまで全て含んでの単語数ですが、3000 words以上という条件を3倍以上オーバーしていることに改めて衝撃を受けました。よく頑張ったのですね(卒論の個々の評価は卒業式で、卒論と一緒にお返しします)。

ちなみにこのTurnitupは大学など学校単位でないと契約できない仕組みになっているようです。日本では関学が加入しているようです。

★今回の教訓:レポート評価でインターネットからコピーしたかどうかなどよく大学でも問題になるが、「・・・と思う」ではなくて「・・%」と数値で明示しなくてはこれからは学生を納得させられないのではないか、と思う。

(2019.2.12)

f:id:wakazemi:20190217005630p:plain

オックスフォード通信(321/44)高等教育についてのセミナー

本年はオックスフォード大学・教育学部が100周年記念ということで力の入った講演会が時々はいっています

本日は、イギリスの大学進学(高等教育)の現状について、ヨーク大学のP先生が分かりやすく、具体的な数値をもとにお話になりました。ほぼ予測はついていたにせよ、大学進学と親の収入の相関関係は高く、高等教育の公平さという点で問題があることが明確に提示されていました。その傾向は年々ハッキリしているようで、奨学金や政府からのサポートが追いついていない状況です。

それは日本でも同じ状況が生まれているわけですが、興味深かったのは、大学院になると「U字カーブ」を描き、親の収入の影響は一旦下がり、また博士課程になるとあがるという点です。学部を卒業して更に大学院にまで進学する学生はそれなりの高い志と能力が必要となるということなのでしょう。

いつもの講演会と同様だろうと思って、5分間に会場に到着したのですが、すでに座席は満杯、私よりも後から来た人は立錐の余地もないくらいの混雑でした。それだけ関心が高いということなのでしょう。

最後に提案として、今後の大学入試では、郵便番号で地域の差(地域によって貧富の差がある)も縮めていく必要があるとされていていたのは興味深かった点です。

★今回の教訓:学費が一番の問題になる点だが、イギリス人で £9000(約130万円)、EU加盟国で・・・その他の外国人で・・・と、国籍別に分けている点も問題ではないかと思う

(2019.2.11)

f:id:wakazemi:20190212135004j:plain

オックスフォード通信(320/45)Baftas

72nd The British Academy of Film and Television Arts (Baftas) 授賞式が行われています

アメリカのアカデミー賞のイギリス版です。BBCが生中継をしています。雰囲気はアメリカの授賞式よりも少し控えめですが、イギリスらしく落ち着いた雰囲気で進められています。

観ていない映画も音楽賞、衣装賞などを受賞していますが、注目していた音楽賞はボヘミアン・ラプソディ、主演男優賞は同じくボヘミアン・ラプソディのRami Malekが受賞しました。

映画の熱演からも当然のように思います。受賞スピーチでRami はアウトサイダーの自分が偉大なアクターの仲間入りが出来て光栄だと言っていたのが少し意外な感じがしました。両親がエジプトからの移民という意味で言っているのでしょうか。彼を最初に見たのはトムハンクスの「Larry Crowne」でのSteve役です(最初はなかなかこの2人が結びつきませんでした)。

途中ではスピーチに、ウイリアム王子(Duke of Cambrige)も登場するなど見ていて飽きさせません。また今年亡くなった映画人では、日本の高畑勲監督も紹介されていました。

作品賞の「Roma」など見ていない映画も多いので是非機会を見つけて見てみたいものです。

★今回の教訓:イギリスのアカデミー賞は何か品格を感じさせる。いい演出だと思います。

(2019.2.10)

f:id:wakazemi:20190210152347j:plain

オックスフォード通信(319/46) YarntonとWoodstock

アンティークにそれほど興味があるわけでもないのですが、オックスフォード近郊のヤーントン(Yarnton)まで出かけてきました

オックスフォード周辺に限らずイギリスにはアンティーク・センターなるものがあります。そこでは、木製製品から金属製のもの、服飾、装飾品からカレンダー(昔の・1989年のサンダーバードのカレンダーを見つけました!)から切手、葉書、トランプ、ロウソク、お皿、カップなど人間の生活に関連するものであればありとあらゆるものが売ってあるといっても過言ではありません。もちろん、そこには数は少ないですが、本も売ってあります。

春にお世話になったビアトリクス・ポターの専門家のK先生にいろいろと教えて頂いたお陰で、ピーターラビットにも興味が芽生えたのですが、そのピーターラビット関連の絵の額や絵本も売ってありました(残念ながら2000年以降の出版であまり価値がありそうではありませんでした)。

1時間ほど60軒もあるという店(コーナー)を冷やかした結果、歴代の王・女王が一覧で分かる古本と小さなピクチャーディクショナリーを購入しました。

来るときには嵐のような天気も帰りには青空が広がっていました。さらに近郊のWoodstock(ウッドストック)まで足をのばすとブレナムパレス宮殿側に落ち着いた街並みが広がっていました。

★今回の教訓:イギリスは郊外も美しい。特に雨上がりの青空はとてもいい。

(2019.2.9)

f:id:wakazemi:20190210152134j:plain