オックスフォード通信(88)ご近所さん

同じフラットに住んでいる方のお家にお招きいただきました。

出かけるときにばったり出会い、挨拶をしている中で一度一緒にご飯でも、という話になり昨日ご自宅にお招きいただきました。同じフラットで部屋の作りは同じなのですが住んでいる人が違うとこうも違うかというくらい違いますね。だいたい靴のまま。ライトも間接照明が多く、暗くしてあります(我が家は白熱球ですが煌々と照らしています)。

AさんとJさんのカップルはフランス人同士です。Aさんはフランスでもバスク地方に近いところ、Jさんは母方がイタリアのベネチアの少し北のご出身。フルのフランス料理でおもてなしをいただきました。7時ごろから気がついたら12時くらい(夜の)になっていました。最初の1時間はappertizer という感じでJさんが焼いたクッキーにフランスワイン。その後、チキン料理で今後は赤ワイン。食後はデザートをいただきながら、ガーベラのお茶を。そろそろ遅いので帰ろうかと言っていたらとっておきのコニャックを出してくださいました。

Aさんは3年の予定でオックスフォードに赴任されたビジネスマン。ブラジルにも親戚がいらっしゃると。お二人と話をしていると、彼らにとっては世界は一つで狭いものなんだな、と思います。まずヨーロッパは一つで自由に行き来できるものという認識。その他南米や北米も同様。唯一、アジア、特に日本だけが依然として神秘の国に映っているようです。

お互いに母語とは異なる英語で話をするのも楽しい状況でした。グローバルリンガフランカとはこういうことなんでしょうね。この時の文化は動機としての文化ではなくて、コミュニケーションの中身、すなわち「話の中心としての文化」になるのだと思います。いかにヨーロッパの飛行機がいい加減ですぐにキャンセルしたり遅れたりするか、とか街の清潔さとか気づくと、文化的な話が中心になっています。もちろん、食事をしながらなので「日本やフランスの食べ物」は話のメインディッシュという感じです。

NESではない人と英語でこれだけじっくりと話をしたのは久しぶりです。互いの話を真摯に聞こうとする姿勢が互いにあって5時間くらいがあっという間のことでした。NESとの話と大きく異なるのは「互いが同等の立場」にいて「どちらの話も同様に重要だ」ということです。日本で英語を学んでいる環境ではどうしてもNESのいう事の方が正しい(同じことは日本政府とアメリカ政府にも言えるかもしれません)という無意識の心の動きがあるのかもしれません。

どちらが正しいわけでもなく、互いから学ぶこと(刺激を受けることがある)事が重要なのだと思います。そろそろ一方的に言葉を学ぶことをやめにした方がいいのかもしれません。

(2018.6.23)

★今回の教訓:フランスの文化は面白い。特に料理はさすが。話の中で、駅やバス乗り場で列に並ぶ事がないという話を聞いて関西によく似ているなと思った。面白いとまた話をしたいと思う。この繰り返しを日本の中で作ることはできないだろうか。
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