ブリュッセルにあるEU本部に行ってきました
ブリュッセルといえば、Grand Place も有名ですが、現在Brexitで話題が持ちきりのこのEU Head Quarterは見逃すことができません。Grand Place近くの地下鉄駅から5つの駅離れたところに最寄りの地下鉄駅があります。そこは空港とも直接鉄道で結ばれている所で、駅に降り立つとあちらこちらにEUの旗を目にします。
そして、地上に出ると、TVでよく目にするEU本部の建物が。一周してみたのですが(寒かった)、十字のような均一な形をしていることが分かります。TVなどではその一角を映しているのしょう。意気揚々とVisitorと書かれた入り口へ。そこで、Visitor?と聞かれたので、Yes, we are. と元気よく答えると残念ながらこの建物は一般訪問客は入ることが出来ないとのこと。何か理由をこじつけて入れて貰おうかとも思ったので、付近には自動小銃を首から提げた迷彩服を着たどこかの軍人(EU軍ってあったっけ?)もウロウロしていたので、ここはおとなしくどの建物であれば見学できるか尋ねることにしました。
パーラメント、すなわちEU議会とミュージアムは見学できるということでしたので、そこを目指すことに。歩いているとクビからランヤードで身分証明書を下げた人達がウヨウヨしておられます。残念ながら議会見学は終わったところで、次は午後2時ということでしたので断念して、EUの歴史を紹介する建物へ。
そこはまさにEUの歴史がぎっしり詰まっている世界でした。EUの歴史は第一世界大戦、特にほぼ全域が戦場となった第2次世界大戦の悲惨な状況からスタートしました。いかにして、そのような惨劇を繰り返さないようにするか、それにはヨーロッパ諸国がアメリカのような、United European Coutriesを築くしかないという強い決意に基づいてました。ここから徐々にEU加盟国を増やし現在の姿となっています。その間、特に、ソ連支配下にあったリトアニア、ラトビアなどの諸国の独立とEUへの加盟、同様にチェコやポーランドなどの東欧諸国のソ連からの離脱が大きな出来事として描かれていました。
現在のイギリスのBrexitでは関税同盟や人と物の行き来ばかりがクローズアップされていますが、もともと戦争を繰り返さないための国家間の共同戦略としてこのEUが構築されてきたことがよく分かります。そこには崇高な思想を見てとることができます。
このEUには小学生から中学生、高校生まで(高校の引率の先生はタバコを吸いながら歩いていました、これも有り、なんですね)多くの生徒・学生が見学に来ていました。確かに見る価値は大いにあると思います。私が中高校なら、将来は実態、このような国際機関で働いてみたいと思うと思います。
国家間統合の上に、移動の自由、それをもっと簡単にするために、ユーロトンネルを掘り、ユーロスターをロンドン~パリ~ブリュッセル~アムステルダムに走らせる。そして、共通言語の指標としてCEFRを作成し、母語以外に+2言語、コミュニケーションの手段として使えるように各国の教育の中で指導するようにする。実際に、EU本部周辺を歩いてみていろいろなことがつながる(Connecting the dots)ように思いました。
第二次世界大戦の反省をもとに国家戦略を共有しているEUに対して、日本はどうだろうと考えざるを得ません。アメリカ一辺倒の作戦は有効な部分があるかもしれませんが人々の共感を得ることは出来ないと思います。また、グローバル化との齟齬も大きくなってくると思います。第二言語教育政策も含めた日本としての国家戦略が問われているように、いやそれがなければ立ちゆかないのだと思います。
EUからもう少し学ぶ必要があるように思います。
★今回の教訓:このブログも帰りのユーロスター車内で。雪のため50分くらい遅れるのでイヤなら無料で他の日に予約を変更するよ、というメールが来ていた割にはほぼ時間通りに(出発は定時よりも2分早かった!)到着しそう。ドーバー海峡の地下トンネルも10分くらいで通過。ユーロスターがあれば、京都から博多へ行くくらいの感覚でブリュッセルとロンドンを行き来できる(実際、午後5時くらいまでブリュッセル市内にて、午後6:55の電車に、2時間の乗車だけれど、時差の関係で帰りはマイナス1時間となるので、ロンドン到着は午後8時、時計的には1時間。実際、ブリュッセル中央駅には5:30に到着。荷物検査、ベルギー側出国、イギリス入国ともスイスイとスムーズ(Residentila Permitを最初に提示したせいか、質問ゼロ)。ユーロスターを見直しました。
(2019.1.24)