北の玄関口、Inverness
ネス湖からの水が River Ness(インバネス川)を通って北海(North Sea)に流れ込みます。
最終日の本日は残念ながら雨模様です。Inverness Railroad Station(インバネス駅)やInverness Castele(インバネス城、現在は裁判所として使われている)を散策しました。Invernessは当初は飛行機の発着、レンタカーのPick-up Dropの場所くらいにしか考えていなかったのですが、落ち着いたとてもいい街だと思いました。来てみてよかったと思える街です。
街の規模はかなり大きく、教会とインバネス川を中心に、駅から500Mくらいの地域が大きな繁華街となっており(昨晩は夜遅くまで、私がパブを出たのが11pmくらいでしたがその頃はまだ煌々とお店の電気がついていました。酔っ払い同士の喧嘩もあった様で警察も出てきていました。その後朝方3時くらいまではガンガンに音楽が流れていた様に思います。宿泊先である川沿いのプレミアインまでよく聞こえていました)、多くの外国人観光客で溢れている様に思いました。インバネス空港はドイツやスイスから国際便が発着する国際空港にもなっています。
インバネスがネス湖観光の入り口になっていて、普通の観光だけでなく、バックパッカーを背負ったり、ネス湖の周辺を走るのでしょう、自転車に乗ったりホテルに自転車を持ち込んでいる人達を数多くみました。
スコットランドはイギリスの中でかなりの自治権を与えられている様で、運転時に許容されるアルコールの量もイングランドとは異なる様です。オックスフォードのあるイングランドでは、日本の感覚では信じられませんが、2パイント(=約1ℓ)のビールまでは飲んでも運転していいそうです。昨日、TomatinのDistilleryを案内してくださったKellyさんによるとスコットランドでは、ウヰスキーグラスで1杯はOKだが2杯目はアウトだと言っておられました(ウイスキーですからこれも相当のものですが)。寒いのでお酒を飲む量も、また飲むお酒をのアルコール度数も高くなるから厳しくしているのかな、とも思います。
昨日はそのような経緯もありドライバーにはウイスキーの試飲を一切させてくれなかったのですが、ホテルに帰ってから飲んでくださいとウヰスキーのミニチュア瓶をいただきました。
さて、合計5泊6日のスコットランドの旅でしたが、一言でいうと、みなさん、ゆったりと豊かな時間を楽しんでいらっしゃるように思いました。これは旅をしている外国人観光客もそうですが現地の人達にも当てはまることです。
本日、Invernessの空港のセキュリティーチェックで、私の前に8歳の男の子を連れた旅行客風の家族がいました。例によって、私はパソコンを出したり時計を外してトレーに入れてていたのですが、セキュリティーの係員がその男の子に携帯は持っていないか?何歳なのか?8歳でスマホを持っていないのは世界中で君だけだよ、などと言ってからかっていました。日本ではまずみないような光景です。まわりに笑いといい感じの空気が流れます。どんなことでも楽しみ、しんどいことは無理をしないようにして、それぞれが楽しく生きていけるような知恵の文化を持っているように感じます。
変にかしこまることも緊張することもなく、出来る範囲で頑張ってやっていけばいい、そんな見えない意図を感じます。
それはインバネスだけでなく、オックスフォードでも同じことが言えるのかもしれませんが、よりハッキリとみて取れる部分が多いように思います。
もちろん、変に融通がきかない頑固なところもありますし(本日、インバネス空港で荷物を預けようとしたのですが、搭乗券{と言ってもアプリでチェックインしたもの] に加えて身分証明書=国内線なのでResidence Permitと言われる居住許可証を見せればいいのですが、他の荷物の中に入れたままでその場では持ち合わせていませんでした。ちょっと取って来ますので荷物をこの場所にちょっと置いておいてください、と言ったのですが、あら残念、荷物はその場所に置かないで、最初から並び直してください、という感じで言われてしまいました。日本でなら利くはずの融通が利きません)、不便を感じることも少なくありません。
でも「人生を楽しもうとしている」というのが生き方のベースにあるように感じます。ひとりひとりが怠けてはいけないけれど、家族も大切にし、自分の健康も大切にしながら、仕事をしている、もちろん悩みも不安もあるでしょうが、人生のベクトルの向きがポジティブなのは生産的だと思います。
また今日からオックスフォードに戻りますが、あまりカリカリしないで、少し大らかな気持ちになって生活をしてみようと思います。
読むべき論文も本も、設計中の質問紙の仕事も山積みです。
(2018.7.16)
★今回の教訓:旅は人生の見直しの機会になる。何もせずただその場を訪れるだけでも授業3回分くらいの価値はあるだろう。これからも機会を見つけて旅に出ようと思う。